【概要・由来】
熊野神社は、創立年代不詳の古社で、熊野三山の御分霊を祀っています。
柳橋川と森本川を挟むこの地方は、藩政時代の領主・井上源左衛門の税の取り立てが厳しく、激怒した農民が一揆を起こして城を攻め落としたと言われています。
熊野神社は、木の国の守り神として、企みの祖神や殖産興業の守り神として信仰されています。
熊野三山とは、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の3つの神社の総称です。
これらの神社は、熊野三山の名前からもわかる通り仏教的要素が強く、熊野権現と呼ばれる神仏習合の神々を祀っています。
熊野三山は、平安時代から上皇や貴族たちが頻繁に参詣したことで有名で、江戸時代には「蟻の熊野詣で」と呼ばれるほど民衆にも広まりました。2004年には、ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」として登録されました。
熊野三山の各神社には、以下のような特徴があります。
熊野本宮大社:創建年代不詳で、伊邪奈美命(いざなみのみこと)、事解男命(ことわけおのみこと)、速玉命(はやたまのみこと)を主祭神とします。阿弥陀如来の化身とされる家都御子神(けつみこのかみ)を祀る本殿は、国宝に指定されています。現在の社地は江戸時代に移されたもので、旧社地は大斎原(おおいはら)と呼ばれる場所にあります。
熊野速玉大社:創建年代不詳で、同じく伊邪奈美命、事解男命、速玉命を主祭神とします。薬師如来の化身とされる速玉神(はやたまのかみ)を祀る本殿は、重要文化財に指定されています。境内には神倉神社や御船島などがあります。また、この神社で発行される熊野牛王符(ごおうふ)は護符や起請文の料紙として使われました。
熊野那智大社:創建年代不詳で、やはり伊邪奈美命、事解男命、速玉命を主祭神とします。千手観音の化身とされる牟須美神(むすみのかみ)を祀る本殿は、国宝に指定されています。境内には日本最高級の滝である那智滝や青岸渡寺などがあります。この寺では一遍上人が熊野権現から神託を得て時宗を開いたと言われています。
【鎮座地】
金沢市法光寺町ト16
【電話】
076-252-2381(松尾神社にて承ります)
【拝観料金】
無料
【祭神】
伊邪奈美命(いざなみのみこと)
事解男命(ことわけおのみこと)
速玉命(はやたまのみこと)
【行事】
例大祭(10月第2日曜日)
【見どころ】
境内の御神木は、タブの木で金沢市の保存樹に指定されています。
タブの木は、熊野三山に自生する樹木で、熊野信仰に深く関わっています。
【神徳(御利益)】
企み成就、殖産興業、家内安全、交通安全、厄除け、学業成就など
【駐車場・アクセス】
駐車場はありません。
金沢駅よりJRバスで法光寺バス停下車、徒歩5分です。
【授与品・御朱印】
授与品や御朱印は、本務社である松尾神社で受けられます。
松尾神社は金沢市鶯町28にあります。
【ウェブサイト】
石川県神社庁.
https://www.ishikawa-jinjacho.or.jp/shrine/j0263/