概要・由来
金沢の地名の由来となった伝説の長者、「芋掘り藤五郎(いもほりとうごろう)」の住居跡と伝えられる場所に建つ神社。
藤五郎は、この山科の地で炭焼きや芋掘りをして生計を立てていた貧しくも正直な男でした。
ある日、山芋を洗っていた沢(現在の金城霊澤)から砂金が出たことで長者となりますが、その後も驕ることなく貧しい人々に富を分け与えたと伝えられています。
昭和6年(1931年)に地元の青年団によって建立・整備され、現在は地域の人々によって大切に守られています。
派手さはありませんが、金運発祥の地の「原点」とも言える静謐な空気が流れています。

芋掘り藤五郎神社由来
藤五郎神社は昭和六年四月(一九三一)山科村青年団の一部の人達が山科神社にあった碑をここに移し小祠の祭神とした
近年老朽化が目立ち始めていたので昭和六十三年六月(一九八八)社殿 鳥居 灯籠 狛犬 手洗い玉垣等全てを新しく造営した
鍬かけの松は芋掘り藤五郎ゆかりの伝承で藤五郎がその松の枝に鍬をかけて一服したと言い伝えられていた老松三本がこの辺りにあったのだが 明治二十五年ごろ(一八九二)根の下に黄金があると噂が広がり 人々が掘りおこしたため 明治三十七年頃(一九〇四)枯れその松で十三個米搗臼を作り山科村の旧家に保存していたが 内一個を昭和六十二年四月一日(一九八七)石川県立歴史博物館に搬入保管展示されている
神社右手の鍬かけの松は二代目である
学問好きの加賀藩十三代藩主前田斉泰は学者の津田鳳卿に命じ鋳物師 採鉱者によって言い伝えられていた炭焼き長者の話をもとに説話を作らせた それが兼六園西の隅にある宝形造り四阿の下 清水が湧きでている金城霊澤(一説には金洗澤とも)の碑文である
奈良時代初期 養老の頃(七一七~七二七)山科村 枝村の伏見村(伏見の里)に山芋を掘り生計をたてていた藤五郎という若者が住んでいた 一方 大和の国 初瀬の里 萬の長者生玉右近萬信(一説には生玉方信)は観音さまに祈願して娘の和五(一説には和子とも)を授かりし後 夢枕にたった観音さまが「娘和五の婿となる者は加賀の国 山科伏見の里の藤五郎である」と告げられ遥々この地を訪ね詳細を説明して執拗に懇願 二人は夫婦になったのである藤五郎は邪欲なく澄んだ目で茫洋として奢らず 近郷の村人に金銀を分け与え人望もあり後 地頭になったとか
藤五郎が山芋を洗ったと言われるのが兼六園内 西の隅にある金城霊澤(一説には金洗澤)で水底に砂金がキラキラ光り輝いたと言い伝えられておりそこから現在の「金澤」と言う地名がつけられたとされている
この辺りには 芋掘り藤五郎ゆかりの伝承が数多く点在している
尚芋掘り藤五郎夫婦を葬ったとされている二五墳(一説には二子塚)は大乗寺の裏から西へ約一〇八米にあり そこを昔は寺地山と言った 塚発掘の際出土した剣等は寺町五丁目の藤五郎ゆかりの伏見寺に保存されている平成元年六月吉日(西暦一九八九年)
日本民俗学会
加能民俗の会 本光仙雅雄
鎮座地
〒921-8153 石川県金沢市山科町ヘ55
(※Googleマップでは「藤五郎神社」または「芋堀藤五郎神社」で検索)
電話
なし
(常駐の神職はいません。地域管理のため連絡先は公開されていません)
拝観料金
境内無料・参拝自由
御祭神
芋掘藤五郎(いもほりとうごろう)
(伝説の人物そのものが神様として祀られています)
行事
ー
(地域のお祭りなどはありますが、観光客向けの定期的な神事は公表されていません)
見どころ
- 鍬掛け(くわかけ)の松(跡):
藤五郎が仕事の合間に鍬を掛けて休んだとされる松の木の伝承地。
初代の松は明治期に枯れてしまいましたが、現在は石碑と後継の松がその伝説を伝えています。 - 繁栄大黒天:
境内の右手にある大黒様の石像。
藤五郎の富にあやかろうと奉納されたもので、知る人ぞ知る「金運・繁栄」の祈願スポットです。 - 藤五郎の眺め:
小高い丘の上にあり、藤五郎もここから今の金沢(当時は加賀の原野)を見下ろしていたのかもしれない、と思わせる景色があります。
【周辺の隠れスポット】芋掘り藤五郎・和子(わご)の夫婦像
神社から少し離れた竹林の中に、藤五郎と妻・和子の仲睦まじい石像が立っています。
- 場所:
金沢市山科町ヌ101付近 - どんな場所?:
藤五郎が住んでいたとされる「伏見の里」の中心地付近と伝えられています。 - 見どころ:
貧しくとも仲良く暮らした二人の姿を表しており、金運だけでなく「夫婦円満」「良縁」のパワースポットとしても知る人ぞ知る場所です。 - 注意点:
非常に分かりにくい場所にあるため、Googleマップで「芋掘り藤五郎 像」などで位置を確認しながら向かうのがおすすめです(まさに宝探しです!)。
神徳(御利益)
- 金運招福・商売繁盛: 金沢の金を掘り当てた伝説にあやかる。
- 富貴繁栄: 正直な心が富をもたらす。
- 無病息災: 地域を見守る神様として。
駐車場・アクセス
- 駐車場:なし
- 神社の前まで車で行くことは可能ですが、道幅が非常に狭く、駐車スペースもありません。
近隣は閑静な住宅街のため、路上駐車は厳禁です。 - 車の場合は、大通り沿いのコインパーキング等を利用し、そこから徒歩またはバスでの移動を推奨します。
- 神社の前まで車で行くことは可能ですが、道幅が非常に狭く、駐車スペースもありません。
- バス: 北鉄バス「円光寺(えんこうじ)」バス停、または「山科(やましな)」バス停下車、徒歩約10~15分。
- 坂道と住宅街の細い道を上がっていきます。Googleマップ必須です。
授与品・御朱印
- 授与品・御朱印:なし
- 無人社(普段は人がいない神社)のため、御守りや御朱印の授与所はありません。
- 「参拝できたこと自体がご利益」と捉え、感謝を伝えて帰りましょう。
「何も求めず、ただ感謝を伝える」ことが、藤五郎流の開運アクションです。
ウェブサイト
なし
石川県神社庁の公式リストにも詳細掲載がない、知る人ぞ知る神社です。
観光地化されておらず、地元の有志によって大切に守られているため、もっとも純粋な「祈りの場」としての空気が残っています。
【注意点】
御朱印やお守りの授与所がないのも、「ここが観光ビジネスではなく、地域信仰の場である証(あかし)」です。
静かな心で手を合わせに行きましょう。
金沢 寺社仏閣めぐり 
