【家を守る双璧】石土毘古神・大戸日別神:今いる「場所」を最強のパワースポットに変える感謝の力

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1. 【御利益】

  • 建物守護・家宅安全(住居やビルなどの建物を災いから守り、強固に保つ)
  • 土地の平安(今いる場所、地盤を安定させ、住む人の心に安らぎを与える)
  • 開運招福・門出の守護(出入り口=門を司ることから、新たな挑戦や再出発を保護する)
  • 災難除け(外部からの悪い気の侵入を防ぎ、家庭内の不和を退ける)

2. 【概要と由来】

石土毘古神(イワツチビコ)と大戸日別神(オオトヒワケ)は、日本最古の歴史書『古事記』において、神々が次々と生まれる「神産み」の際、伊邪那岐命(イザナギ)と伊邪那美命(イザナミ)から誕生した神々です。

彼らは「家宅六神(かたくろくしん)」と呼ばれる、家屋の材料や構造を司る6柱の神々に含まれます。
家を建てる際の根源的なエネルギーを象徴しており、私たちが日々生活を送る「器」としての建物を霊的な側面から支える存在です。
特に、土台となる「石・土」と、境界線となる「門・戸」を司るこの2柱は、住まいの安心を象徴する重要なペアと言えるでしょう。


3. 【詳細解説】

別名・別称

  • 石土毘古神: 石土神(いわつちのかみ)、磐土命(いわつちのみこと)。
    石鎚神社の祭神「石鎚毘古命」と同一視されることもあります。
  • 大戸日別神: 大戸比別神。家の出入り口を司ることから、門の神の一柱とされることもあります。

特徴・シンボル

  • 石土毘古神: 「石」と「土」を象徴し、建物の強固な土台や壁の材料、地盤そのものを表します。
  • 大戸日別神: 「大戸」とは家の玄関や門を指し、外の世界と内の世界を分ける「境界」と、その「通過点」を象徴しています。

神話・エピソード

神話の記述によれば、イザナギとイザナミが国生みを終えた後、まず「大事忍男神(おおことおしおのかみ)」が生まれ、その次に誕生したのが家宅六神です。

石土毘古神は、同じく家宅六神の一柱であり壁の材料(石砂)を司る「石巣比売神(イワスヒメ)」と共に生まれました。この二神は夫婦や兄妹のような関係とされ、協力して建物の外郭を作り上げます。

一方の大戸日別神は、性別が不明とされる神秘的な神ですが、家屋に入るための「戸」そのものを司ります。古くから、家の門には邪気が入らぬよう強い神が宿ると信じられてきました。門が開くことは「新しい運気が入ること」を意味し、閉じることは「守ること」を意味します。
この神を敬うことは、家庭のプライバシーを守りつつ、外からの良きご縁を迎え入れる準備を整えることに繋がるのです。


4. 【金沢での関連寺社・スポット】

金沢市内において、この2柱を「主祭神」として単独で祀る神社は極めて稀ですが、これらは「家宅の神」として、地鎮祭や新築祝いの際に金沢の多くの神社で共通して勧請(お呼び)される神様です。

特に建物の守護や土地の神様として親和性が高い、金沢市内の神社を紹介します。

石浦神社(いしうらじんじゃ)

金沢最古の神社であり、その名に「石」を冠することから、土地の根源的な力と深い関わりがあります。
石土毘古神が象徴する「石の力(土台の安定)」を祈願する際、金沢で最も古い地力を宿す石浦神社を訪れるのは非常に意義深いでしょう。

石浦神社(いしうらじんじゃ)

尾山神社(おやまじんじゃ)

大戸日別神が司る「門・戸」の象徴として、金沢で最も有名なのが尾山神社の「神門(しんもん)」です。
重要文化財であり、ステンドグラスが施されたその美しい門は、災いを防ぎ、新しい文化を取り入れてきた金沢の「守護と開放」の象徴です。
大戸日別神が司る「境界を守り、良き気を招く」という精神が、この門には宿っています。

尾山神社(おやまじんじゃ)

安江八幡宮(やすえはちまんぐう)

金沢五社の一つ。ここでは多くの摂末社が祀られており、建物の守護や家内安全の祈願が盛んです。
地鎮祭などを通じて家宅六神との縁も深く、新しい住まいを構える方や、今ある暮らしを守りたい金沢市民に厚く信仰されています。

安江八幡宮・金沢水天宮(やすえはちまんぐう・かなざわすいてんぐう)

全国の関連神社 おすすめ3選

全国には分社を含め多くの社がありますが、この神様の「本源」や「特別な祀られ方」をしている以下の3社が、巡礼や祈願には特におすすめです。

1. 石鎚神社(いしづちじんじゃ)|愛媛県西条市

【石土毘古神の総本宮】
西日本最高峰であり、日本七霊山の一つに数えられる霊峰・石鎚山を神体山とする神社です。

  • おすすめ理由:
    石土毘古神(石鎚毘古命)を祀る神社の頂点であり、その力は圧倒的です。山頂の「頂上社」から麓の「口之宮 本社」まで4つの社があり、人生の大きな壁を乗り越えたい時や、家業の土台を盤石にしたい時にこれ以上の場所はありません。まさに「石と土の神」の根源的なエネルギーが満ちています。

2. 紀州神社(きしゅうじんじゃ)|東京都北区

【「家宅六神」を網羅する都会の守護者】
東京・北区に鎮座し、家を司る「家宅六神」をすべて合祀している全国でも珍しい神社です。

  • おすすめ理由:
    石土毘古神と大戸日別神の両方を一度に、かつ「建物の守り神」という本来の文脈で参拝できる貴重なスポットです。建築関係者や、これからマイホームを建てる方、引っ越しを控えている方にとって、都会にいながら住まいの安寧を願える「暮らしの守護神」として絶大な信頼を得ています。

【編集後記】

画像にある「今いる場所を大切に、感謝をすること」というメッセージ、心に響きますね。
私たちはつい「もっと良い場所へ、もっと広い家へ」と外ばかりを見てしまいがちですが、実は今自分が立っているその足元の「石」や「土」、毎日通り抜ける「ドア」にこそ、守護神が宿っている。
そんな風に考えると、いつものリビングも少し神聖な場所に感じられてくるから不思議です。

金沢の古い町家が今も美しく残っているのは、こうした目に見えない「家宅の神様」を大切にする心が、職人さんや住人の方々に受け継がれているからかもしれませんね。

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