由緒:かつての聖なる島に宿る「導きと癒やし」の神様
須天(すあ)熊野神社の歴史を紐解くと、この地がかつて水の都のような美しい場所であったことが分かります。
1. 「洲浜(すはま)」と呼ばれた島からの始まり
かつて、この辺りは「洲浜」と呼ばれる、水に囲まれた美しい島のような地形でした。
神社のルーツは非常に古く、鎌倉時代の初め(元久元年・1204年)に遡ります。
もともと島の表側にあった「熊野権現」が、島の裏側にあった「少彦社(すくなひこしゃ)」の地へと移され、ひとつに合わさったのが現在の神社の原型です。
当時は「洲浜熊野権現(すはまくまのごんげん)」と呼ばれ、水辺の聖地として崇められていました。
2. 名君・前田利常公も認めた霊験
加賀藩の発展に尽力した名君、三代藩主・前田利常公も、この神社を深く崇拝した一人です。
利常公は神社の格式を重んじ、神主の屋敷を寄進するなど、藩を挙げてこのお社を大切に守ってきました。
この歴史があるからこそ、今もなお地域の人々に大切にされ、格式高い雰囲気が保たれているのです。
3. 不思議な力を持つ「いぼ池さん」
由緒書きの中で特に強調されているのが、境内にある「いぼ池」の存在です。
古くから「諸病平癒(あらゆる病気が治る)」と「疣(いぼ)取り」に驚くほどの効き目があると伝えられています。
その不思議な霊験を求め、現在のように交通が発達する前から、毎日多くの参拝者が絶えなかったといいます。
まさに、心と体の「浄化と再生」を象徴する場所なのです。
4. 明治から現代へ
明治時代に入ると、神仏分離の影響などから現在の「須天熊野神社」へと改称されました。
- 明治6年: 「村社」に指定(地域の中心的な神社としての公的な格付け)
- 明治39年: 「神饌幣帛料供進神社(しんせんへいはくりょうきょうしんじんじゃ)」に指定(国からお供えの費用を賜るほど、重要な神社として認められた証)
鎮座地
石川県小松市須天町1丁目43番地
(「須天」は「すあ」と読みます。小松市の北東部に位置する静かな住宅・田園地帯にあります。)
電話
0761-22-2073
(※宮司宅の連絡先となることが多いため、お問い合わせは日中の常識的な時間帯をお勧めします)
拝観料金
無料(境内は自由にお参りいただけます)
御祭神
主祭神として、熊野三山の神々を祀っています。
- 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
- 速玉之男命(はやたまのおのみこと)
- 事解之男命(ことさかののみこと)
また、合祀された八幡神社の祭神である「誉田別命(ほむたわけのみこと)」も併せて祀られています。
行事
- 祈年祭(春祭り): 5月3日
- 例祭(秋祭り): 9月13日
- 新嘗祭: 11月23日 ※例祭では、地域の伝統を守るための祭礼が行われます。
見どころ
- 静謐な境内: 住宅街の中にありながら、一歩足を踏み入れると静かで厳かな空気が流れています。
- 社殿の彫刻: 小規模ながら、木造社殿には丁寧な細工が施されており、地域の職人の技術が垣間見えます。
- 鳥居と社号標: 須天町の集落の入り口としての象徴的な佇まいがあります。
神徳(御利益)
熊野の神々は「浄化」と「再生」を司るため、以下のような御利益があるとされています。
- 家内安全・地域守護
- 縁結び・諸願成就
- 厄除け・病気平癒
見どころ・参拝ポイント
参拝におすすめな3つの大きな理由
- 「導きの神」八咫烏(やたがらす)の聖地:
熊野神社のシンボルであり、日本サッカー協会のエンブレムでもある「三本足の烏・八咫烏」を身近に感じられるスポットが豊富です。
勝負事や、進むべき道に迷っている方への「導き」のご利益で知られています。 - 「いぼ池さん」の愛称で親しまれる癒やし:
境内の「いぼ池」の霊水は、古くから皮膚病やイボに効くと伝えられ、現代では「美肌」を願う女性参拝客にも人気です。 - 心温まる手書きアート:
宮司様が描くダイナミックな「巨大干支絵馬」や、彩り豊かな「イラスト御朱印」など、目でも楽しめる温かい雰囲気が魅力です。
境内の注目パワースポット
- 八咫烏の「水かけ祈願」:
鳥居をくぐってすぐの場所に、八咫烏の像があります。
ここに水をかけてお参りすることで、願いを導いてもらうという「導き」の祈願スポットです。 - いぼ池(御霊水):
龍の口から湧き出る地下水(霊水)です。
蛇口をひねって手に取り、お肌につけて祈願するスタイルが定着しています。 - 甦り(よみがえり)の樹:
「再生」を象徴する樹木として、再出発や再挑戦を願う人に勇気を与えるスポットとして紹介されています。 - 清め石:
心身を浄化し、悪い気を払うとされる石が置かれています。
八咫烏(やたがらす)の授与品
特に紹介したいのが、可愛らしくも凛々しい授与品です。
- 八咫烏おみくじ:
コロンとしたフォルムが愛らしい、陶器(または樹脂)製の八咫烏の中におみくじが入った「置物型おみくじ」があります。持ち帰って家に飾るファンも多い人気の品です。 - 八咫烏の御守:
勝利を導く「勝守(かちまもり)」や、交通安全・道中安全を願うお守りがあります。
サッカーファンにも喜ばれます。ワールドカップが開催される時はぜひ持っていたいですね。
御朱印情報(アートな御朱印)
こちらの神社の御朱印は、全国の御朱印ファンからも高く評価されています。
- 種類が豊富:
通常の御朱印だけでなく、八咫烏がダイナミックに描かれたものや、いぼ池をモチーフにしたもの、季節の花々が描かれた見開きサイズなど、複数のデザインがあります。 - 直書きと書き置き:
社務所にケースが置かれており、「書き置き(紙でもらうタイプ)」が常備されています。- 宮司様がいらっしゃる場合は、御朱印帳に「直書き」していただけることもあります。
隣接する宮司様宅で対応してくださる場合も多いですが、ご不在時もあるため「出会えたらラッキー」という気持ちで訪れるのが通の楽しみ方です。
- 宮司様がいらっしゃる場合は、御朱印帳に「直書き」していただけることもあります。
- 巨大絵馬:
拝殿付近には、宮司様自らが筆をふるった巨大な干支絵馬が掲げられており、御朱印と一緒に写真に収める参拝客が絶えません。
駐車場・アクセス
- 駐車場:
専用の大きな駐車場はありませんが、神社正面や周辺の路肩に短時間の駐停車が可能なスペースがあります。
近隣住民の迷惑にならないよう配慮が必要です。 - アクセス:
- JR北陸本線「小松駅」から車で約10〜15分。
- 小松コミュニティバス(ブルーこまち等)「須天」バス停から徒歩圏内。
ウェブサイト
公式ウェブサイトはありません。
詳細な情報は石川県神社庁の公式ページをご確認ください。
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