災厄をなぎ倒し、道を開く守護神「猪(いのしし)」|和気清麻呂を救った奇跡の霊力

広告が掲載してある場合があります

1. 【御利益】

  • 足腰の健康・病気平癒(特に「健脚」を願う方に尊ばれています)
  • 厄除け・災難除け(猪突猛進の力で災いを跳ね除けます)
  • 立身出世・開運(目標に向かって突き進む姿から)
  • 子孫繁栄(多産な動物であることに由来します)

2. 【概要と由来】

猪は、古来より日本の信仰において「山の神の使い」あるいは「山の神そのものの化身」として畏敬の念を集めてきた存在です。

特に有名な由来は、奈良時代から平安時代にかけて活躍した貴族・和気清麻呂(わけのきよまろ)公との深い縁にあります。清麻呂公が困難に直面した際、突如として現れた300頭もの猪が彼を救ったという伝説が残されています。

この物語に基づき、清麻呂公を祀る神社では、一般的な「狛犬」の代わりに、全国でも珍しい「狛猪(こまいのしし)」が境内に鎮座しています。


3. 【詳細解説】

別名・別称

亥の神(いののかみ)、神使(しんし)、眷属(けんぞく)

特徴・シンボル

猪を象徴するのは、鋭い牙と、標的に向かって真っ向から突き進む力強さです。

古くから「猪突猛進」という言葉があるように、その迷いのない姿は「強い意志」の象徴ともされてきました。

また、火伏せ(火災除け)の神徳があると信じられている地域もあります。

神話・エピソード:和気清麻呂と300頭の猪

猪が信仰の対象となった最もドラマチックな物語は、西暦769年に起きた「宇佐八幡宮神託事件(道鏡事件)」に遡ります。

時の僧・道鏡が皇位を奪おうとした際、和気清麻呂公は神託を受け、その野望を阻止しました。
しかし、これに激怒した道鏡の手によって、清麻呂公は足の腱を切られた上で、九州へと流刑に処されてしまいます。

その道中、刺客の手が迫る絶体絶命のピンチに、300頭の野生の猪が突如として現れました。
猪たちは清麻呂公を囲んで護衛し、無事に目的地まで送り届けたといいます。
驚くべきことに、その旅が終わる頃には、清麻呂公の足はすっかり回復していたと伝えられています。
この奇跡の物語が、現代に続く「足腰の守護神」としての信仰の礎となっています。


4. 【金沢での関連寺社・スポット】

金沢市内において、猪を主祭神の使いとして大々的に祀る、あるいは「狛猪」が設置されている神社は、現在のところ確認されておりません。
しかし、石川県全体で見ると、猪は豊かな山岳信仰と深く結びついています。

金沢と「山の神」の繋がり

金沢の奥座敷や山沿いには、山の神を祀る神社が点在しています。
例えば、山岳信仰の霊峰・白山を仰ぐ「白山比咩神社(白山市)」に代表されるように、山に生きる猪は神聖な生き物として認識されてきました。

白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)

また、和気清麻呂公と同じく文武両道で知られる前田利家公を祀る「尾山神社」など、困難を突破する力(勝負運)を求める場所では、猪のような勇猛な精神が尊ばれることもあります。

尾山神社(おやまじんじゃ)

もし、和気清麻呂公ゆかりの「狛猪」を直接参拝されたい場合は、以下の全国的に有名な神社がおすすめです。

全国の関連する寺社

「狛猪(こまいのしし)」が鎮座している神社

1. 和気神社(わけじんじゃ)【岡山県和気町】

岡山県の和気神社は、和気清麻呂公の生誕地に鎮座する、由緒ある神社です。
こちらの最大の特徴は、神社の入口に構える「日本一」と称される巨大な狛猪です。
石造りではなく、ブロンズ(青銅)製で、その大きさは高さ・長さ共に数メートルに及び、圧倒的な迫力で参拝者を迎えます。 もちろん、この地も清麻呂公の伝説に基づき、猪を神聖な使いとして大切にしています。

2. 和気神社(わけじんじゃ)【鹿児島県霧島市】

鹿児島県の和気神社
こちらは、和気清麻呂公が流刑に処された地(当時の大隅国)に建てられた神社です。
伝説では、清麻呂公がこの地に到着した際にも猪が案内したと伝えられています。
こちらの境内には、社殿の前を守るように、珍しい白い猪の「狛猪」が対で置かれています。
また、過去には境内で本物の白い猪が飼育され、「和気ちゃん」の愛称で親しまれていたことでも知られています。

これら2つの和気神社は、京都の護王神社と並び、和気清麻呂公の猪伝説を今に伝える重要な聖地です。
それぞれの地で、狛犬とは一味違う、力強くユニークな「狛猪」たちの姿を見ることができます。


編集後記

猪と聞くと「荒々しい」イメージを持つ方も多いかもしれませんが、和気清麻呂公を護った300頭のエピソードを知ると、その献身的な姿に温かい気持ちになりますね。

足腰の健康は、神社巡りを一生楽しむためにも一番の資本です。
金沢の豊かな自然や山々を眺めながら、かつて英雄を救った猪たちの力強い霊力に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です