1. 【御利益】
- 商売繁盛(福をかき集める熊手の象徴)
- 五穀豊穣(稲穂を運んできた伝説に由来)
- 出世開運(高く飛び上がる鷲の姿から)
- 産業振興(農業やものづくりの守護)
2. 【概要と由来】
「大鳥による稲穂飛来伝説」というものがあります。
古来、大鳥(鷲)が天から稲穂を授けてくれたという伝承があり、このことから鷲は「農業の神」として深く信仰されるようになりました。
その正体は、日本神話の重要な神である「天菩比命(アメノホヒ)」、そしてその子である「天夷鳥命(アメノヒナトリ)」と強い縁があるとされています。
天菩比命は、天照大御神と須佐之男命が誓約(うけい)を行った際に誕生した高貴な神様です。
その血筋を引く鷲の神様は、大地に実りをもたらし、現代では「お酉様」としてビジネスの成功を見守る存在となっています。
3. 【詳細解説】

別名・別称
天夷鳥命(アメノヒナトリノミコト)
天日鷲命(アメノヒワシノミコト)
お酉様(おとりさま)
特徴・シンボル
象徴となるのは、獲物をしっかりと掴む鷲の「爪」です。
この鋭い爪が「福を掴んで離さない」「運をかき集める」というイメージに繋がり、酉の市で売られる「縁起熊手」の由来にもなっています。
神話・エピソード
天菩比命は、天照大御神から出雲の国譲りの交渉役として遣わされた神様です。
その子である天夷鳥命は、父の意志を継ぎ、出雲の神宝を管理するなどの重要な役割を果たしました。
特に興味深いのは「農業との関わり」です。
天から飛来した鷲が、口に稲穂をくわえて地上に落としたことが稲作の始まりであるという伝説が各地に残っています。
つまり、私たちが毎日食べているお米のルーツには、この鷲の神様の導きがあったのかもしれません。
力強く羽ばたくその姿は、停滞した運気を一気に吹き飛ばし、新しいステージへと引き上げてくれるエネルギーを象徴しています。
4. 【金沢での関連寺社・スポット】
金沢市内において、この「鷲の神様(お酉様)」にまつわる文化や系譜を最も色濃く感じられるスポットをご紹介します。
石浦神社(金沢市本多町)
金沢最古の神社として知られる石浦神社では、毎年11月に「酉の市(とりのいち)」が開催されています。
もともと関東地方で盛んなお祭りですが、石浦神社では北陸でもその文化を楽しめるよう、商売繁盛を願う「縁起熊手」の授与などが行われます。
鷲の神様のパワーを「福をかき集める熊手」として直接授かれる、金沢では非常に貴重な場所です。
金澤神社(金沢市兼六町)
「天菩比命(アメノホヒ)」と深い関わりがあるのが、兼六園に隣接する金澤神社です。
こちらの主祭神である菅原道真公は、天菩比命の末裔であるとされています。
直接的な「鷲」の名称は冠していませんが、神様のルーツを辿ると、この地に流れる知恵と繁栄の力は、天菩比命の系譜から引き継がれたものだと言えるでしょう。
全国の関連神社
東京都足立区の「大鷲神社(おおとりじんじゃ)」
茨城県那珂市の「鷲神社(わしじんじゃ)」
代表的な本拠地です。
編集後記
鷲が稲穂を運んできたというお話、なんだかロマンがありますよね。
「福を掴む」という熊手の由来も、鷲の力強い爪を想像すると、より一層ご利益がありそうに感じられます。
金沢でも石浦神社さんの酉の市でその雰囲気を味わえるのは嬉しい発見でした。
商売をされている方はもちろん、新しいことに挑戦したい方も、ぜひ鷲の神様の「飛翔するパワー」を意識してみてくださいね。
金沢 寺社仏閣めぐり 
