概要・由来
当社の起源は「咲く花の匂うが如く今盛りなり」と称えられた奈良時代聖武天皇の天平5年6月24日(733)近江国坂本に鎮座された日吉大社東本宮に奉斎されていた大山咋大神の御分霊をこの地にお祭り致したのが始まりとされ、さらに貞観2年(860)同社西本宮の御祭神、大物主大神をも勧請合祀されたものであります。
享保17年(1732)大野湊神社神主河崎英通が記録した大野村山王略縁起によれば、かっての大野湊神社の鎮座地「真砂山竿の林」から北東にあたるので邪気を鎮める目的で日吉の神霊を鎮座させ、土地の人達は産土の神として尊崇し比叡山にならい、山門、護摩堂、鐘楼等を建て日吉山王大権現と称し隆盛の期を迎えたが度々の戦乱によって殿堂、宝物、古文書類がすべて焼失し神人僧徒の多くは、この時離散したと伝える。
江戸時代には藩主前田家の崇敬は極めて厚く参詣、祈祷、寄進等があり六代藩主吉徳公、山王社鎮座一千年に当たって、一千年祭の神事が執行されるや藩主は上使を派遣し報恩の礼をとられたのを機としてその後50年毎に大祭が行われる例となった。
又この土地の人々も事あるごとに社殿の改築をおこない祭具、備品にいたるまで寄進して報恩感謝の誠を捧げている。
明治7年(1874)従来の「山王大権現」と称していたのを廃し「日吉神社」と改められた。
大野日吉神社の起源は、奈良時代の天平5年(733年)に遡ります。
当時の人々が「咲く花の匂うが如く今盛りなり」と称えた時代です。
この地に最初に祀られたのは、近江国(現在の滋賀県)坂本にある日吉大社の東本宮に祀られていた大山咋大神(おおやまくいのおおかみ)の分霊です。大山咋大神は、山や自然、農耕の神様として信仰されています。
その後、貞観2年(860年)には、日吉大社の西本宮に祀られている大物主大神(おおものぬしのおおかみ)も合祀されました。
大物主大神は、国造りや医薬、農業などの神様として知られています。
これにより、大野日吉神社は二柱の神様を祀る神社となりました。
江戸時代の享保17年(1732年)に、大野湊神社の神主であった河崎英通が「大野村山王略縁起」という記録を残しています。
それによると、かつて大野湊神社のあった場所(真砂山竿の林)から北東の方角に位置するこの地に、邪気を鎮める目的で日吉の神霊が祀られたとされています。
地元の人々は、この神社を地域の守り神(産土神)として崇敬し、比叡山(日吉大社の総本山がある山)に倣って山門、護摩堂、鐘楼などを建て、「日吉山王大権現」と称して大変栄えました。
しかし、度重なる戦乱によって、これらの建物や宝物、古文書などは全て焼失し、神職や僧侶の多くも散り散りになってしまったと伝えられています。
江戸時代に入ると、加賀藩の藩主である前田家から非常に厚い崇敬を受けました。
藩主自らが参詣したり、祈祷を行ったり、寄進を行ったりするなど、手厚い保護を受けました。
特に、六代藩主の前田吉徳公の時代には、山王社鎮座1000年を記念する大祭が執り行われ、藩主は使者を派遣して祝意を表しました。
これを機に、その後は50年ごとに大祭が行われるようになったそうです。
地元の人々も、社殿の改築や祭具・備品の寄進などを積極的に行い、神様への感謝の気持ちを表していました。
明治時代に入り、明治7年(1874年)には、それまで使われていた「山王大権現」という名称を廃止し、現在の「日吉神社」という名称に改められました。
源義経(牛若丸)も武運を祈ったと伝えられています。
大野日吉神社は、奈良時代に始まり、様々な時代を経て、地域の信仰の中心として、また藩主の崇敬を受ける神社として発展してきたという歴史を持っています。
戦乱による衰退もありましたが、地元の人々や藩主の支えによって再興され、現在に至っていると言えるでしょう。
鎮座地
金沢市大野町5丁目81
電話
076-267-0522 (大野湊神社)
拝観料金
無料
御祭神
大山咋神(おおやまくいのかみ)
大物主神(おおものぬしのかみ)
行事
山王祭(さんのうまつり)
毎年7月下旬に行われる例大祭で、神輿行列と民俗芸能の奉納が一体となった壮大な夏祭り。
金沢市指定無形民俗文化財の「山王悪魔払」が各戸を回り、曳山などの出し物で賑わいます。
「山王悪魔払」は、町内約600軒を巡って邪気を払う行事。
かつては7月24・25日でしたが、現在は7月第四土・日曜に行われます。
先導役の「坊さん」は、独特の装束(綱代傘、柿色の法衣、白たすき等)で錫杖をつき進みます。踊り手3人は、天狗・鬼人・翁の面をつけ、まさかり、破魔矢、太刀を使って四隅を祓い、悪魔を払います。
5色の旗(紺、赤、黒、白、緑)は大日大聖不動明王など五体の明王を表し、厄除けの願いを込めたものです。この悪魔払は「弥彦ばば」とも呼ばれています。
1月
1日 2日歳旦祭
10日 船方(金毘羅宮) 祭
2月
3日 節分厄除祭
3月
24日 祈年祭
4月
7日 8日 鎮火祭
5月
9日 菅原祭
10日 稲荷祭
6月
30日 夏越の大祓式
7月
第4土曜日 例祭
第4日曜日 神幸祭
9月
20日 21日西宮祭
11月
24日 新嘗祭(新穀感謝祭)
12月
23日 天皇誕生祭
31日 年越の大祓式
毎月 1日
月次祭 (おついたちまいり)
毎月24日
月例祭
見どころ
境内や周辺の木々もよく手入れがされており、社殿は落ち着いた雰囲気。静かな中にも威厳を感じさせてくれ、とても気持ちの良い神社です。
拝殿の前から望む金沢港や白山山頂の眺望も良好です。
灯籠に灯りが入るので、夕刻以降も良い雰囲気です。
春には桜が咲き誇り、夏の山王祭は観る価値があります。
御神木の大イチョウ:
樹齢数百年を超える大イチョウは、十二代加賀藩主・前田斉広公が鷹狩りの際に参拝記念に植樹したとされ、金沢市指定保存樹にもなっています。樹高32メートルの高木。
曳山館(ひきやまやかた):
境内にあり、山王祭で使用される曳山を展示しています。入場無料です。
大野弁吉の作品:
加賀のからくり師と呼ばれた大野弁吉が制作した獅子頭や狐の像などが大切に保存されています。
神社の裏手には日和山遊歩道もあり、そこから眺める夕日は絶景です。
社宝
「山王猿」
(鎌倉時代・守護職富樫泰家の寄進、作者不詳:越前石製)
「白狐」
(稲荷狐) 一対 (大野弁吉作)
「丸屋獅子」
頭一基(大野弁吉 作)
「黒獅子」
大型頭一基 (大野弁吉 作)
「下駄形獅子」
小型頭一基 (大野弁吉作)
「木彫漆塗り狛犬」
(井波彫刻師・嶌川甚作作)
「御神木イチョウの木」
十二代加賀藩主前田斉広公、鷹狩りの折り参拝記念植樹。金沢一番の大木。
神徳(御利益)
大山咋神は山の神、大物主神は大地の神として、
五穀豊穣、商売繁盛、家内安全、厄除けなどのご利益があるとされています。
駐車場・アクセス
車でお越しの方
JR金沢駅より約15分
北陸自動車道金沢西ICより 約15分
バスでお越しの方
北鉄バス香林坊より(大野下車徒歩約5分)…約30分
JR金沢駅より(本数わずか)(大野下車徒歩約5分)…約20分
JR・タクシーでお越しの方
JR金沢駅西口よりタクシー利用…約12分
徒歩でお越しの方
北鉄バス金石ロータリーより 約20分
金沢港より 約15分
授与品・御朱印
大野日吉神社の御朱印は、書置きの御朱印があり、大野湊神社でもいただけます。
ウェブサイト
公式サイト
http://www.ohnohiyoshi.com/
石川県神社庁
https://www.ishikawa-jinjacho.or.jp/shrine/j0061/
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