尾﨑神社(おさきじんじゃ)

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尾﨑神社の由緒

【前田家と徳川家の縁を結ぶ朱色鮮やかな北陸の東照宮】

加賀藩前田家4代前田光高(母は徳川2代将軍秀忠の娘・珠姫)が曾祖父(そうそふ)である徳川家康を祀るべく、上野・寛永寺から勧請(かんじょう)して建立。
徳川家と姻戚関係を結び、藩の安泰願った加賀藩前田家の歴史を今に伝える神社です。

創建当時1643年(寛永20年)は金沢城北の丸にあり「金沢の東照宮」とも称されましたが、明治時代に天照大御神と大國主大神、加賀藩前田家3代前田利常公をご神祭に加えて、尾﨑神社と改称しました。
1878年に現地へ移転しました。

朱に彩られた社殿の彩色や彫刻、飾り金具などは創建当時のものが多く残っており、本殿・中門・透塀(すかしべい)・拝殿及び幣殿(へいでん)は国の重要文化財となっています。

尾﨑神社は、幕府御用大工の木原木工允によって設計され、加賀藩御用大工らが施工しました。

本殿の横にひっそりと佇む「豊受稲荷社」

豪華絢爛な本殿の向かって左側(北側)に、朱塗りの小さな社殿があります。
これは「豊受稲荷社(とようけいなりしゃ)」と呼ばれる境内社(末社)です。

ここにお祀りされているのは、伊勢神宮の外宮(げく)と同じ豊受大神(トヨウケビメ)
私たちの命を支える「食」や「産業」、そして衣食住全般を守ってくださる大変ありがたい女神様。

一般的に「お稲荷さん」といえばウカノミタマノカミを指すことが多いですが、ここではトヨウケビメが稲荷神として祀られています。これは、尾﨑神社が創建された江戸時代、神仏習合や伊勢信仰の影響を受け、人々の生活に密着した「食と豊かさの神」として大切にされた歴史の名残かもしれません。

近江町市場からも近い尾﨑神社。
「金沢の台所」で美味しい海の幸を楽しむ前後に、この豊受稲荷社へ手を合わせ、日々の食事への感謝を伝えてみてはいかがでしょうか。

尾﨑神社の概要

尾﨑神社
鎮座地 〒920-0937  石川県金沢市丸の内5-5
電話 076-231-0127
拝観料金 無料
祭神 天照大神、東照大権現(徳川家康)、前田利常(加賀藩三代藩主)
行事
見どころ 朱色の拝殿、枝垂れ桜、徳川家康三つ葉葵の家紋、紅葉、巨大イチョウ、風格のある佇まい、春になると桜が境内を彩る、社殿横の枝垂れ桜、ソメイヨシノ、豊受稲荷社の朱色鳥居とピンクの枝垂れ桜
神徳 健康運、立身出世、満願成就、金運
駐車場
アクセス
駐車場あり(10台程度)バス「武蔵ヶ辻・近江町市場」下車、徒歩約10分付近にもコインパーキング有り
授与品・御朱印 御朱印:初穂料300円
ウェブサイト 石川県神社庁
https://www.ishikawa-jinjacho.or.jp/shrine/j0213/

豊受稲荷社(とようけいなりしゃ)

ご祭神:豊受大御神(とようけのおおみかみ)

明治七(一八七四)年、明治政府から徳川家康公をお祀りする金沢東照宮に、新たに天照大御神と大国主大神、そして加賀藩三代藩主前田利常公を併せてお祀りするよう指示があった。

当時は、天照大御神をお祀りする場合、御饌都神(みけつかみ)つまり衣食住のお世話をする豊受大御神を勧請し、お祀りするのが決まりであった。

そのため、ご本殿を修理するときに一時的にご神体にお遷りいただくために建てられていた仮殿(かりでん)に、新たに勧請した豊受大御神をお祀りし豊受稲荷社とした。

また、同年ご祭神を増やしたことを機会に神社名も尾崎神社に改め、明治一一(一八七八)年に金沢城内より現在地に遷り鎮座するようになった。

豊受稲荷社のご社殿は、寛永二〇(一六四三)年に金沢城に造営された金沢東照宮の仮殿を解体移築したもので、令和七(二〇二五)年三月 金沢市指定文化財となりました。

実は貴重な文化財!謎を解く「豊受稲荷社」の由緒

本殿の横に佇む朱色の「豊受稲荷社」
ここには、伊勢神宮外宮の神様である豊受大御神(トヨウケノオオミカミ)が祀られていますが、なぜ徳川家康公を祀るこの神社にいらっしゃるのでしょうか?

その理由は、明治7年(1874年)の出来事に遡ります。
当時、明治政府の指示により、この神社に新たに天照大御神(アマテラス)をお祀りすることになりました。その際、「アマテラス様をお祀りするなら、そのお食事や身の回りのお世話をする神様(御饌都神)も一緒でなければならない」という決まりがあったため、トヨウケビメもセットで招かれたのです。

■ 建物自体が歴史の証人
さらに驚くべきは、この小さなお社の建物そのものです。
実はこの社殿、寛永20年(1643年)に金沢東照宮(尾﨑神社の前身)が造られた際、本殿の修理中などに神様が一時的に入る「仮殿(かりでん)」として建てられたものを移築したものです。
つまり、江戸時代初期の姿を今に残す大変貴重な建築物であり、令和7年(2025年)3月には金沢市指定文化財となりました。

お参りの際は、食の神様への感謝とともに、400年近い歴史を持つ社殿の佇まいにもぜひ注目してみてください。

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