立像寺(りゅうぞうじ)

広告が掲載してある場合があります



歴史・概要

鎌倉時代末期、永仁2年(1294年)、日蓮宗の日像上人が越前府中(現在の福井県武生市)に立像寺を建立しました。
その後、日冶上人の代に「妙布山立像寺」と号されるようになります。

加賀藩二代藩主前田利長が松任、富山、高岡と移封する度に、日蓮宗の僧侶であった日治上人が利長に随伴し、それぞれの地に寺を建立しました。利長が金沢に移封された際も同様で、日治上人は現在の金沢市片町付近に寺を構え、その後、現在の地に移転しました。

立像寺の建立に際し、前田利常公の祖母・寿命院の再婚先である小幡家が木材を寄進したことから、寺内には小幡家の定紋である松皮菱が欄間などに彫られています。このことは、立像寺と前田家との深い関係を示す貴重な遺物と言えるでしょう。

その後、第22世の日輝上人の時代には、寺内に「充洽園」と呼ばれる私塾を創設し、日蓮宗の教えを後世に伝えるための教育活動に力を入れました。

このように、立像寺は、日蓮宗の寺院として創建され、加賀藩前田家との深い結びつきの中で発展してきました。
前田家との歴史的なつながりを示す寺宝や、日蓮宗の教えを後世に伝えるための教育機関としての役割など、立像寺は数多くの歴史的・文化的遺産を有しています。

本堂・鐘楼堂は金沢市の有形文化財に指定されています。

【本堂】

棟札によると、寛永15年(1638年)の建築で、建築年代が判明しているものとして、市内で最も古い歴史的建造物です。
本堂の建築当初の規模は、正面が11間(約20メートル)、側面が8間半(約16メートル)の規模で、正面中央右寄りに向拝(ごはい)を設けます。屋根は現在瓦葺ですが、小屋組の中には以前の屋根が残り、かつては杮葺(こけらぶき)であったことが分かります。
向拝の木鼻(きばな)に見られる繊細な渦紋や若葉の彫刻は、江戸時代前期にみられる様式で、加賀藩における寺社建築の時代的指標となる貴重な建物です。
金沢市指定文化財

【鐘楼堂】

建築年代は、鐘に刻まれた銘から鐘の製造が元禄元年(1688年)であることが分かり、建物の彫刻などの細部意匠の様式から見ても、その頃に建築されたものと推測されます。
赤戸室石亀甲積の基壇の上に建つ重層の建物で、入母屋屋根の背の高い外観が通りからの目を惹きます。鐘楼で重層とするのは珍しく、現在、上層に太鼓が置かれ、下層に鐘が吊られています。下層の4本の柱の内転びも特徴的です。金沢に残る数少ない17世紀の歴史的建造物であり、本堂とともに貴重な存在です。
金沢市指定文化財

前田家がキリシタン大名の高山右近を客将に迎えていた時期があったためか、立像時にもキリシタン灯籠が存在しています。

所在地

石川県金沢市寺町4-1-2

電話

076-241-2032

拝観料金

通常は無料ですが、特別拝観など、有料となる場合もあります。
事前に確認することをおすすめします。

拝観時間

特に定められた拝観時間はない場合が多いですが、開門時間は寺院によって異なります。
事前に確認しましょう。

宗派/山号・寺号

* 宗派:日蓮宗
* 山号:妙布山
* 寺号:立像寺

本尊・寺宝

本尊は、久遠実成本師釈迦牟尼仏

御朱印

御朱印は有
御朱印帳はありません

行事

立像寺では、節分、彼岸、お盆など、様々な仏教行事を行っています。

見どころ

本堂・鐘楼堂
金沢市の有形文化財に指定されており、江戸時代の寺社建築を代表する貴重な遺構です。

充洽園
日蓮宗近世教学の発祥地として、歴史的な価値の高い場所です。

「充洽園」は、「じゅうごうえん」と読みます。

「充洽」という漢字は、あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、「充満してあふれる」という意味があります。つまり、「充洽園」は、「教えが充満し、あふれるような園」という意味合いを持つ言葉と言えるでしょう。

日蓮宗の僧侶であった優陀那日輝和上(うだなにちきわじょう)が、石川県金沢にある立像寺内に開いた私塾で、日蓮宗の教学を研究し、後進の育成に力を注いだ場所として知られています。

キリシタン灯籠
高山右近が金沢に持ってきたと言われています。

飴買い地蔵尊
伝説の飴買いが伝わっています。

6代目横綱・阿武松緑之助の墓があります。

小幡家の定紋「松皮菱」が欄間などに彫られています。

寺院の門前には、エスプリの効いた箴言(ユーモアやウィットに富み、考えさせられるような言葉のこと)が書かれた黒板が設置されており、地元住民からも人気があります。

春には大きな桜の木が、見事に桜を咲かせます。

駐車場・アクセス

駐車場
寺院に駐車場はありません。
公共交通機関を利用するか、近隣の有料駐車場をご利用ください。

アクセス
公共交通機関
JR金沢駅より北鉄バス、バス停「寺町3丁目」下車徒歩2分
寺町五丁目バス停から徒歩3分
犀星文学碑前バス停から徒歩4分

ウェブサイト

日蓮宗ポータルサイト
https://temple.nichiren.or.jp/4051003-ryuzouji/

その他

* 寺院の門前には、エスプリの効いた箴言が書かれた黒板が設置されており、地元住民からも人気があります。
* 立像寺は、日蓮宗の教えを深く研究し、たくさんの優秀な僧侶を育てたお寺です。特に明治時代には、日蓮宗が大変な危機を迎えたとき、このお寺で学んだ人たちが日蓮宗を立て直すために大きな力になったんです。つまり、立像寺は日蓮宗にとってとても大切な場所だったということです。
* 立像寺は、寺町寺院群の中でも特に大きな門が特徴です。
* 立像寺は、歴史と文化を感じることができる静かな寺院です。金沢を訪れる際は、ぜひ立ち寄ってみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です