猿田彦大神(サルタヒコ)のご利益とは?天狗のような風貌に隠された「導き」の力

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1. 【御利益】

  • 交通安全・道中安全(旅や移動の守護神として最も有名です)
  • 道開き・開運招福(人生の岐路で正しい方向へ導きます)
  • 良縁結び(妻であるアメノウズメと共に、人と人、人と道を結びます)
  • 厄除け・方位除け(悪い方向からの災いを防ぎます)

2. 【概要と由来】

猿田彦大神(サルタヒコノオオカミ)は、日本神話において「天孫降臨」の際に高天原から降りてきたニニギノミコトを出迎え、道案内をした「導きの神」です。

何かが始まるとき、あるいは進むべき道に迷ったとき、最初に現れて正しい方向を示してくれる存在として古くから信仰されています。
その風貌は独特で、鼻が長く、背が高く、目が鏡のように輝いていたとされ、これが後の「天狗」のイメージの原型になったとも言われています。


3. 【詳細解説】

別名・別称
猿田彦命(さるたひこのみこと)、佐那武大神(さなたけおおかみ:金沢など一部地域)

特徴・シンボル
象徴的なのはその「異形の姿」「靴(わらじ)」です。
長い鼻は直感や先見の明を表し、道祖神(村の境界を守る神)として、わらじや杖と共に描かれることも多くあります。

神話・エピソード:天狗の神様とアイドルの結婚?

猿田彦大神が最も輝いたのは、天孫降臨の場面です。
天界から降りてくる神々の一行が道に迷いそうになった時、交差点で光を放ちながら立ちはだかる大男がいました。それがサルタヒコです。

多くの神々がその威圧感に恐れをなす中、芸能の女神であり、大胆不敵なアメノウズメだけが彼に近づき、「あなたは誰ですか!」と問いかけました。
サルタヒコは「私は地の神です。新しい神様を道案内するために待っていました」と答え、一行を無事に目的地まで導いたのです。

この出会いがきっかけで、なんとサルタヒコとアメノウズメは結婚します。
強面の導きの神と、愛嬌たっぷりの芸能の神。
まさに「美女と野獣」のような夫婦ですが、二人は仲良く連れ添い、サルタヒコは妻の姓を名乗らせて奉仕させたとも伝わります。

しかし、彼の最期は少しユニークで悲劇的です。
伊勢の海で漁をしていた際、大きな平貝(ヒラガイ)に手を挟まれ、そのまま溺れてしまったと伝わります。
水底でもがき苦しむ様子から「底どく御魂(そこどくみたま)」などの名が生まれましたが、これもまた「海に沈む=地の底まで導く」という彼の大地への強い結びつきを表しているのかもしれません。

「迷った時は一度止まり、無理に事を進めるな」というメッセージは、彼自身が立ち止まり、神々を待っていた逸話に通じます。
進むべき時を知っているからこそ、待つことの大切さを教えてくれるのです。


4. 【金沢での関連寺社・スポット】

金沢において、猿田彦大神に会うならば、迷わずここへ足を運んでください。

■ 大野湊神社(おおのみなとじんじゃ)


金沢市寺中町(金沢港近く)に鎮座する、県内屈指の古社です。 実はこの神社の主祭神こそが、猿田彦大神です。

ここには全国的にも珍しい独自の伝承が残っています。
神話では「山」にいたとされるサルタヒコですが、大野湊神社の由緒では「海から現れた」とされています。
奈良時代の神亀4年(727年)、佐那(さな)という人物が海上でサルタヒコを感じ、この地に祀ったのが始まりです。
そのため、ここでは「導きの神」であると同時に、「海の安全」「交通安全」の神として非常に篤く信仰されています。

毎年夏に行われる神事能は金沢市指定文化財であり、荘厳な空気に包まれます。

人生の「羅針盤」が必要な時、金沢港の風を感じながら、大野湊神社で手を合わせてみてください。

大野湊神社(おおのみなとじんじゃ)

(参考:全国の関連寺社)


編集後記

天狗のような強面で描かれるサルタヒコさんですが、実はとても面倒見が良く、奥さん(アメノウズメ)には頭が上がらなかったのかもしれない…なんて想像すると、急に親近感が湧いてきませんか?

私たちも人生という旅の途中。
地図を持たずに歩き出して不安になった時は、ふと立ち止まってみてください。
きっとサルタヒコさんが、思いがけない方向から「こっちだよ」と鼻を利かせて教えてくれるはずです。

金沢の大野湊神社は、緑豊かな参道がとても気持ちの良い場所です。
ぜひ「良い道」を授かりに行ってみてくださいね。

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