【須勢理毘売命:スセリビメノミコト】愛の試練を乗り越える!縁結びと夫婦円満の情熱的な女神

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1. 【御利益】

須勢理毘売命(スセリビメノミコト)は、その情熱的な愛の物語から、以下の御利益で知られています。

  • 良縁成就・恋愛成就(運命の人と結ばれる強い力)
  • 夫婦円満(パートナーとの絆を深め、家庭を守る)
  • 除災招福・厄除け(夫を危機から救った故事による)
  • 家内安全

2. 【概要と由来】

須勢理毘売命(スセリビメ)は、日本神話における最強の荒神・須佐之男命(スサノオノミコト)の娘であり、出雲大社の祭神として有名な大国主大神(オオクニヌシ)の正妻です。

父であるスサノオが支配する「根の国(黄泉の国に近い異界)」に住んでいましたが、そこへ訪れたオオクニヌシと一目で恋に落ち、夫婦の契りを交わしました。

その後、スサノオがオオクニヌシに課した数々の死の試練を、彼女の機転と魔法の力で共に乗り越え、駆け落ち同然で地上へ脱出。その強さと深い愛情により、浮気性なオオクニヌシを繋ぎ止め、正妻としての地位を確立した情熱的な女神様です。

3. 【詳細解説】

別名・別称

  • 須勢理毘売命、須世理毘売命(スセリビメノミコト)
  • 須勢理姫命

特徴・シンボル

彼女を象徴するのは「比礼(ひれ)」と呼ばれる魔法の布(スカーフ)です。
神話の中で、彼女はこの布を使って夫を蛇やムカデの脅威から守り抜きました。このことから、彼女は単に守られるだけの存在ではなく、愛する人を自らの力で助ける「活動的で賢い女性」の象徴とされています。

神話・エピソード:根の国での大恋愛と試練

スセリビメの物語は、まさにドラマチックな冒険活劇です。
オオクニヌシが助けを求めて根の国を訪れた際、スセリビメと出会い、二人はたちまち恋に落ちました。しかし、父スサノオは交際を許さず、オオクニヌシを「蛇の室」や「ムカデと蜂の室」に投げ込むという恐ろしい試練を与えます。

絶体絶命のピンチに、スセリビメは父に隠れて「蛇の比礼」「蜂の比礼」という魔法の布を彼に授けました。「襲われたらこの布を三度振りなさい」という彼女の教えを守り、オオクニヌシは無傷で生還します。

さらに、スサノオの髪の毛を部屋の垂木に結びつけ、父が眠っている隙に、父の宝物である「生大刀(いくたち)」「生弓矢(いくゆみや)」「天詔琴(あめののりごと)」を奪い、オオクニヌシを背負って逃げ出したのです。

目覚めたスサノオは二人を追いかけますが、最後にはその愛と覚悟を認め、遠くからこう叫びました。 「その刀と弓矢で兄たちを平らげて、スセリビメを正妻として立派な宮殿を建てて暮らせ!」

こうして二人は結ばれましたが、スセリビメにはもう一つの有名な顔があります。それは「嫉妬深い」こと。
プレイボーイとして知られるオオクニヌシが他の女性のもとへ通おうとすると、彼女は激しく嫉妬し、その気迫で夫をたじろがせたと言われています。
しかし、それは裏を返せば「一途で純粋な愛」の証。古事記には、二人が仲睦まじく杯を交わす歌も残されており、最終的には誰よりも深く夫と結ばれた女神なのです。

4. 【金沢での関連寺社・スポット】

金沢市内において、須勢理毘売命(スセリビメ)のみを単独で主祭神として祀る神社は確認できませんでしたが、彼女の最愛の夫であり、共に国づくりを行った「大国主大神(オオクニヌシ/ダイコク様)」を祀る歴史ある神社が複数存在します。
「夫神を参拝することで、その妻であるスセリビメの御加護も共に頂く」という気持ちで、以下の神社を巡ってみてはいかがでしょうか。

石浦神社(いしうらじんじゃ)

金沢で最も古い歴史を持つとされる神社です。

  • 御祭神: 大物主大神(オオクニヌシの別名)ほか
  • 解説: 「縁結び」のパワースポットとして有名で、特に女性やカップルに人気があります。オオクニヌシを祀っていることから、スセリビメとの夫婦神の御利益である「良縁」「恋愛成就」を願うのに最適な場所です。お守りのデザインも豊富で、恋愛運アップの願いを込めることができます。
  • アクセス: 金沢市本多町(兼六園・金沢21世紀美術館のすぐ近く)
石浦神社(いしうらじんじゃ)

宇多須神社(うたすじんじゃ)

ひがし茶屋街の入り口に鎮座する、藩祖・前田利家公ゆかりの神社です。

  • 御祭神: 大国主神 ほか
  • 解説: 境内に「利常公酒湯の井戸」などがあり、病気平癒や商売繁盛の御利益で知られますが、オオクニヌシを祀ることから良縁祈願にも通じます。古都金沢の情緒を感じながら、神話の夫婦愛に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
  • アクセス: 金沢市東山(ひがし茶屋街エリア)
宇多須神社(うたすじんじゃ)

全国の関連寺社(参考)

  • 出雲大社(島根県) オオクニヌシの本拠地。本殿の裏手にはスセリビメを祀る「大神大后神社(御向社)」があり、夫の背中を見守るように鎮座しています。
  • 國魂神社(福島県) スセリビメを主祭神として祀る数少ない神社の一つです(画像内にも記載あり)。

編集後記

「嫉妬深い」と聞くと少し怖いイメージを持つかもしれませんが、スセリビメのエピソードを知れば知るほど、その「愛の重さ」がいじらしく思えてきませんか?
命がけで夫を守り、浮気を許さず自分だけを見てほしいと願うその姿は、現代の私たちにも通じるピュアな乙女心そのもの。

金沢で大国主大神に手を合わせる際は、ぜひその隣でじっと夫を見つめる、情熱的なスセリビメのことも思い出してみてくださいね。きっと、本気で愛を叶えたいあなたの背中を、強力に押してくれるはずです。

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