織物の女神・栲幡千千姫命(タクハタチヂヒメ)が教える、揺るぎない「安定」と「母の強さ」

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1. 【御利益】

  • 織物・繊維業守護(アパレル、ファッション関係の仕事運向上)
  • 安産・子宝祈願(丈夫で立派な子供を授かる)
  • 技芸上達(コツコツとした努力が実を結ぶ)
  • 家内安全・基礎固め(生活や事業の基盤を安定させる)

2. 【概要と由来】

派手な活躍こそ少ないものの、日本神話において極めて重要な「母性」「安定」を象徴する女神、それが栲幡千千姫命(タクハタチヂヒメノミコト)です。

彼女は、高天原(たかまがはら)の最高司令官とも言える造化三神の一柱・高皇産霊神(タカミムスビ)を父に持ち、天照大御神(アマテラス)の長男である天忍穂耳命(アメノオシホミミ)と結ばれました。そして、後に地上へ降り立ち日本を治めることになる瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)を産んだ母神です。

名前にある「栲(タク)」は楮(こうぞ)の繊維で作った布、「幡(ハタ)」は機織りを意味します。
多くの布を織り上げるように、日々の積み重ねを大切にし、やがて来る大きな繁栄(豊秋津)の準備を整える神様として、古くから信仰を集めてきました。


3. 【詳細解説】

別名・別称

  • 萬幡豊秋津師比売命(ヨロズハタトヨアキツシヒメノミコト)- 『古事記』での表記
  • 天萬栲幡千幡比賣命(アメヨロズタクハタチハタヒメノミコト)- 『日本書紀』での表記

特徴・シンボル

この神様を象徴するのは、美しく織り上げられた「布」や「織物」です。
縦糸と横糸が交差して一枚の布になるように、人と人との縁を繋ぎ、物事の基礎をしっかりと作り上げる力を持ちます。

また、息子であるニニギノミコトを地上へ送り出す際、強く立派な魂が宿るように支えたことから、「陰の立役者」「強力なサポーター」としての性質も持ち合わせています。

神話・エピソード:天孫降臨を支えた母の愛

神話において、タクハタチヂヒメが最もその存在感を示すのは「天孫降臨(てんそんこうりん)」の前段です。

彼女の夫であるアメノオシホミミは、アマテラスから「地上を治めてきなさい」と命令を受けますが、下界の騒がしさを嫌がり、なかなか降りようとしませんでした。そこで白羽の矢が立ったのが、二人の間に生まれた息子、ニニギノミコトです。

まだ若い我が子を、未開の地である地上へ送り出す――。普通の母親なら心配でたまらない場面でしょう。しかし、タクハタチヂヒメは、偉大な父神(タカミムスビ)の娘としての誇りと、アマテラスの家系としての覚悟を持ち、息子を立派に送り出しました。 彼女自身が剣を振るうことはありませんでしたが、彼女が織りなす「母としての慈愛」と「盤石な家系」があったからこそ、ニニギノミコトは安心して地上へ降り、現在の皇室へと続く歴史が始まったと言えます。

「前に出るだけが主役ではない。準備し、整え、送り出す力が、偉大な未来を創る」
彼女の生き方は、私たちにそんな静かで強いメッセージを投げかけています。


4. 【金沢での関連寺社・スポット】

金沢市内において、栲幡千千姫命(タクハタチヂヒメ)を単独の主祭神として祀る神社は、残念ながら確認されていません。しかし、彼女の「家族」や「織物」のご神徳に触れられるスポットは存在します。ぜひ足を運んでみてください。

宇多須神社(金沢市東山)

ひがし茶屋街の奥に鎮座するこの神社には、タクハタチヂヒメの父神である高皇産霊神(タカミムスビ)が祀られています。

  • ご縁: 父神にご挨拶することで、その娘であるタクハタチヂヒメの「生成する力」「結ぶ力」を感じることができるでしょう。
  • 所在地: 金沢市東山1丁目30-8
宇多須神社(うたすじんじゃ)

② 石川県加賀市の「服部神社(はとりじんじゃ)」

金沢市から少し足を伸ばした加賀市山代温泉には、織物の神様を祀る服部神社があります。その境内社である「橋姫神社」には、明確に栲幡千千姫命が祀られています。

  • ご縁: 織物業が盛んだったこの地域で、古くから技芸と産業の守護神として大切にされてきました。繊維関係のお仕事の方や、確かな技術を身につけたい方には特におすすめのパワースポットです。
  • 所在地: 石川県加賀市山代温泉4区18-7

全国の有名な関連神社

  • 機物神社(はたものじんじゃ):大阪府交野市。七夕伝説発祥の地ともされ、織姫(タクハタチヂヒメとも同一視されることがある)を祀ることで有名です。
  • 塩澤神社:福島県二本松市。織物の神として篤く信仰されています。
  • 伊勢神宮 内宮:相殿神として祀られています。

編集後記

「コツコツと続けること」は、現代社会で最も難しく、尊い才能の一つかもしれません。

タクハタチヂヒメ様の神話に触れていると、派手な成果を焦る必要はないんだな、と肩の力が抜けるような気がします。

織物が一本一本の糸から成るように、私たちの日々も小さな「今日」の積み重ね。
金沢の美しい着物文化も、この女神様のような職人さんたちの静かな情熱に支えられているのかもしれませんね。

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