金沢 寺社仏閣めぐり 
1. 【御利益】
水龍（みずりゅう）は、自然界のあらゆる「流れ」を司る龍神であり、主に以下のような御神徳があるとされています。
- 心身の浄化・厄落とし：蓄積したストレスやネガティブな感情を洗い流す。
- 運気の好転：停滞している物事をスムーズに動かし、滞りを解消する。
- 願望成就の土台作り：願いを妨げている根本的な原因を整理し、道を開く。
- 水難除け・雨乞い：豊かな水源を守り、水の災いから守護する。
2. 【概要と由来】
水龍は、日本神話において古くから信仰されてきた「水神（すいじん）」や「龍神（りゅうじん）」の一形態です。
水の持つ「すべてを洗い流す力」を神格化した存在であり、生命の源である水を守護しています。
神話の時代から、日本人は水に触れることで罪や穢れ（けがれ）を祓う「禊（みそぎ）」を大切にしてきました。
水龍は、単に肉体を洗うだけでなく、魂の深層にある濁りを取り除き、清らかな状態へ戻してくれる存在として敬われています。
3. 【詳細解説】
別名・別称
闇龗神（くらおかみのかみ）、
高龗神（たかおかみのかみ）、
水波能売命（みづはのめのみこと）
などの水神と同一視、あるいはその使者とされることがあります。
特徴・シンボル
水龍は、澄んだ水を象徴する美しい鱗（うろこ）を持ち、激流や滝、静かな湖、そして天から降る雨など、あらゆる水の姿となって現れます。
画像に見られるように、水泡を纏いながら勢いよく泳ぐ姿は、変化し続ける「生命のエネルギー」そのものを表しています。
神話・エピソード：浄化と気づきの龍
日本神話において、伊邪那岐命（いざなぎのみこと）が亡くなった妻を追いかけて黄泉の国へ行き、戻ってきた際に行った禊から多くの水神が誕生しました。
このことから、水龍には「死（過去の汚れ）を流して、生（新しい始まり）をもたらす」という再生の役割があります。
現代における水龍のメッセージは非常に実践的です。
「願いが叶わないのは、能力が足りないからではなく、自分の中に未解決のまま放置された『ソレ』があるからだ」
と説きます。
『ソレ』とは、自分では気づかないふりをしている執着、過去のトラウマ、あるいは整理できていない人間関係かもしれません。
水龍の導きとは、ただ祈るだけでなく、静かに自分を見つめ直し、心の澱（おり）を自覚して手放すプロセスそのものを指しているのです。
4. 【金沢での関連寺社・スポット】
金沢は「水の都」と呼ばれ、犀川と浅野川という二つの大きな流れに挟まれています。
水龍のエネルギーを身近に感じ、浄化の祈りを捧げるのに最適な場所をご紹介します。
金澤神社（かなざわじんじゃ）
金沢観光の要、兼六園に隣接するこの神社には「白蛇龍神（はくじゃりゅうじん）」が祀られています。
白蛇は水神の使いであり、水龍とも深い関わりがあります。
特に注目すべきは、神社のすぐそばにある「金城霊澤（きんじょうれいたく）」です。ここは金沢の地名の由来（金洗いの沢）となった湧水であり、古くから龍神が棲む聖地と伝えられています。
今でも「お水取りの儀式」が行われるこの場所は、浄化と金運の強力なスポットです。
- 住所：石川県金沢市兼六町1-3
- アクセス：兼六園随身坂口からすぐ
金澤神社（かなざわじんじゃ）
石浦神社（いしうらじんじゃ）
金沢最古の神社である石浦神社には、「水占い」という非常に珍しいおみくじがあります。
水に浸すと文字が浮かび上がるその仕組みは、まさに水龍の力を借りて自分の内面（運勢）を視覚化する体験と言えるでしょう。
また、境内には「川瀬社（かわせしゃ）」があり、水の流れを守護する神様が祀られています。
- 住所：石川県金沢市本多町3-1-30
- アクセス：金沢21世紀美術館すぐそば
石浦神社（いしうらじんじゃ）
犀川神社（さいがわじんじゃ）
金沢の男川として知られる犀川のほとりに鎮座する神社です。
川のせせらぎとともに、滞った気を流してくれる爽やかな空気が満ちています。
川沿いを散策しながら、自分の中の「整理すべきこと」を内観するのにも適した場所です。
- 住所：石川県金沢市中央通町16-1
犀川神社（さいがわじんじゃ）
全国的な関連寺社：
編集後記
今回、水龍の言葉を分析していてハッとさせられました。
「願いが叶わないのは、放置している『ソレ』があるから」。
私たちはつい新しいものを足そう（付け焼き刃の願掛け）としますが、水龍が求めているのは「引き算」なんですね。
金沢の金城霊澤の静かな水面を眺めていると、不思議と自分の心のざわつきが落ち着いていきます。
皆さんも、金沢を訪れた際はぜひ「水」に触れ、自分の中の『ソレ』を水龍に流してもらってください。
きっと、驚くほど身軽になれるはずですよ。
