本願寺金沢別院は、浄土真宗本願寺派の別院で、石川県を代表する寺院です。
【歴史・概要】
本願寺金沢別院の始まりは、1339年(延元4年)に本願寺第3代覚如が金沢に一宇の草庵を建てたことに遡ります。
その後、本願寺第5代綽如、第7代存如、第8代蓮如などの巡化があり、1546年(天文15年)に金沢御堂(尾山御坊)が建立されました。
しかし、1580年(天正8年)に佐久間盛政に攻め滅ぼされ、金沢城となりました。その後、前田利家が入城してからは、城の後町に尾山御坊復興の寺地を寄進し、1611年(慶長16年)に現在地に移転しました。
以来、数度の火災や天災に遭いながらも、加賀・能登・越中の寺院や門信徒の協力で再建され、現在の本堂や経蔵などが建立されました。現在は、石川教区の教化拠点として活動しています。
【住所】
石川県金沢市笠市町2-47
【電話】
076-221-0429
【拝観料金】
無料
【拝観時間】
午前8時~午後5時
【宗派/山号・寺号】
浄土真宗本願寺派/無/本願寺金沢別院
【本尊・寺宝】
本尊は阿弥陀如来像で、本願寺第10代証如の下付です。
また、親鸞聖人御影や実如上人影像などの貴重な寺宝も所蔵しています。
【御朱印】
御朱印は受付で頂けます。
【行事】
毎日午前8時に晨朝勤行(お朝事)が行われます。
また、春季彼岸会、親鸞聖人降誕会、納骨永代経法要、孟蘭盆会、秋季彼岸会、報恩講などの法要も行われます。
【見どころ】
本堂は嘉永2年(1849年)に再建されたもので、石川県指定有形文化財です。
内陣には本尊阿弥陀如来像や親鸞聖人御影などが安置されています。
また、経蔵や鐘楼も石川県指定有形文化財であり、経蔵には親鸞聖人絵伝や七高僧絵像などの貴重な経典や仏画が保管されています。
山門は明治26年(1893年)に建立されたもので、金沢市指定保存建造物です。
境内には大谷廟所という飛地境内があり、ここには本願寺第7代存如の廟所があります。
【駐車場・アクセス】
駐車場はありません。
アクセスは、JR金沢駅から徒歩約15分、北陸鉄道バス「本願寺前」バス停から徒歩約1分。
【ウェブサイト】
浄土真宗本願寺派本願寺金沢別院(西別院)公式サイト
http://www.incl.ne.jp/honganji/
Facebookページ
https://www.facebook.com/kanazawanishibetsuin/
【本願寺という宗派があるの?】
本願寺という宗派は、実は存在しません。
本願寺とは、浄土真宗の本山である寺院の名前です。浄土真宗は、親鸞聖人を宗祖とする仏教の宗派で、日本で最も多くの信者を持つ仏教系の宗教法人です。
浄土真宗には、本願寺を本山とする浄土真宗本願寺派(西本願寺)と、東京都台東区にある東本願寺を本山とする浄土真宗東本願寺派(東本願寺)の2つの大きな分派があります。これらは、親鸞聖人の第8代孫である蓮如が、大谷廟所(現在の西本願寺)と東京・浅草にあった浅草御坊(現在の東本願寺)を拠点に布教活動を行ったことに由来します。
浄土真宗の教えは、阿弥陀如来の無量寿経に説かれた阿弥陀如来の本願(阿弥陀如来が成仏する際に立てた48の誓願)によって、すべての衆生が極楽浄土に往生できることを信じることです。
親鸞聖人は、自力(自分の行いや修行)ではなく、他力(阿弥陀如来の救い)によって救われることを説きました。そのため、浄土真宗では、阿弥陀如来への感謝と帰依を表す「南無阿弥陀仏」という念仏を唱えることが重視されます。
浄土真宗本願寺派は、京都市下京区にある西本願寺を中心に、全国に約1万の寺院と約800万人の信者を擁しています。
西本願寺は国宝や重要文化財などの歴史的建造物や仏像などを多数所蔵しており、1994年には「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されました。西本願寺では、毎年10月21日から23日まで「報恩講」という大法要が行われます。これは、親鸞聖人が遷化した日(10月21日)を記念して始まったもので、全国から多くの信者が参詣します。
以上が、本願寺という名前に関係する浄土真宗本願寺派の歴史や教え、特徴などについての簡単な説明です。