概要・由来
創立年代不詳、もと同字へ101番地に鎮座のところ明治15年ホ155番地へ移転せるに風水の災害甚だしく再度移転の議起こり明治26年現地に遷座した。明治40年同字鎮座の無格社諏訪神社を合祀。当社は明治39年神饌幣帛料供進神社に指定された。
創建と初期の鎮座地
八幡神社の創立年代は不明です。つまり、いつ頃創建されたのか、正確な時期は記録に残っていないということです。しかし、もともとは同じ福増町の「へ101番地」に鎮座していました。この「へ」という表記は、昔の地番表記で使われていたものです。
明治時代の移転
明治時代に入り、八幡神社は二度の移転を経験しています。
最初の移転(明治15年):
明治15年(1882年)に、「ほ155番地」へ移転しました。「ほ」も同様に昔の地番表記です。しかし、この場所は風水害が非常に多かったようです。「風水害」とは、台風や大雨などによる風の被害や水害のことです。つまり、この場所に移転した後、度々自然災害に見舞われたと考えられます。
二度目の移転(明治26年):
風水害が頻発したため、再度移転の議論が起こり、明治26年(1893年)に現在の場所に遷座しました。この移転によって、災害の心配が少ない場所に移ることができたと考えられます。
諏訪神社の合祀
明治40年(1907年)には、同じ福増町に鎮座していた無格社(むかくしゃ)の諏訪神社(すわじんじゃ)を合祀(ごうし)しました。
「無格社」とは、明治時代の神社制度において、社格(神社の格式)が定められていない神社のことです。
「合祀」とは、複数の神社を一つに統合することを意味します。
この合祀によって、諏訪神社の神様も八幡神社に一緒に祀られることになりました。
神饌幣帛料供進神社への指定
八幡神社は、明治39年(1906年)に神饌幣帛料供進神社(しんせんへいはくりょうきょうしんじんじゃ)に指定されました。これは、国から神饌(神様へのお供え物)と幣帛(神様に捧げる品物)の料(費用)が供進される神社であることを意味します。
この指定は、神社が地域において重要な役割を果たしていることを国が認めたことを示しています。
まとめ
福増町の八幡神社は、創建年代は不明ながら、明治時代に二度の移転を経験し、現在の場所に落ち着きました。
風水害を避けるための移転であったことが分かります。
また、明治時代には諏訪神社を合祀し、神饌幣帛料供進神社に指定されるなど、近代の神社制度の中で重要な位置を占めるようになりました。
これらの歴史を通して、地域の人々の信仰の中心として存在してきたことが伺えます。
鎮座地
金沢市福増町南298
電話
076-268-9413 (佐奇神社)
拝観料金
無料
御祭神
誉田和気尊
天照大神
菅原大神
諏訪大神
行事
ー
見どころ
参道にはお手入れされた木々が立っています。
松の樹形が見事です。
灯籠や狛犬の雰囲気も良いです。
神徳(御利益)
各祭神の神徳
-
誉田和気尊(応神天皇):
- 武運長久(ぶうんちょうきゅう): 武勇に優れた神として、戦勝祈願、武道成就、身体健全、交通安全などのご利益があります。
- 殖産興業(しょくさんこうぎょう): 農業や産業の発展に貢献したとされ、五穀豊穣、商売繁盛、事業繁栄などのご利益があります。
- 子育て・安産: 母である神功皇后の故事から、安産や子育てのご利益があります。
- 国家鎮護(こっかちんご): 国家を守護する神としても信仰され、国家安泰、平和祈願などのご利益があります。
-
天照大神:
- 皇室の祖神(こうしつのそしん): 日本の最高神であり、皇室の祖神として崇敬されています。
- 日の神(ひのかみ): 太陽を神格化した神であり、生命の根源、光明、繁栄などのご利益があります。
- 国家安泰(こっかあんたい): 国家の平和と繁栄を守護する神として信仰されています。
-
菅原大神(菅原道真公):
- 学問の神: 学問の神様として広く知られ、学業成就、合格祈願、試験合格、学問向上などのご利益があります。
- 文化・芸術の神: 和歌や漢詩に優れていたことから、文化・芸術の神としても信仰されています。
- 正直・至誠の神: 正直で誠実な人柄であったことから、正直・至誠の神としても信仰されています。
-
諏訪大神:
- 農耕神(のうこうしん): 風の神、水の神として、五穀豊穣、農業繁栄のご利益があります。
- 武神(ぶしん): 武勇の神として、武運長久、戦勝祈願のご利益があります。
- 狩猟神(しゅりょうしん): 狩猟の神として、山の安全、狩猟の安全のご利益があります。
- 開拓神(かいたくしん): 新しい土地を開拓する神として、開拓、発展のご利益があります。
福増町の八幡神社における神徳
このように、福増町の八幡神社では、武運長久、殖産興業、子育て・安産、国家鎮護、繁栄、学業成就、文化・芸術、農耕、開拓など、非常に幅広いご利益を得られると考えられます。
特に、
- 地域全体の守護: 複数の神様が祀られていることから、地域全体の安全、平和、繁栄を守護する力があると信仰されているでしょう。
- 学業と武道の両立: 菅原大神と応神天皇が一緒に祀られていることから、学業成就と武道成就の両方を祈願するのに適していると言えるかもしれません。
- 生活全般の安定: 農耕神である諏訪大神も祀られていることから、生活の基盤となる農業や生活全般の安定を祈願するのに適していると考えられます。
参拝の際の心構え
神社における神徳は、人々の信仰によって育まれてきたものです。
上記は一般的な神徳の説明であり、個々の神社によって強調されるご利益が異なる場合もあります。福増町の八幡神社に参拝する際には、上記の情報を参考にしつつ、自身の願いを込めて心を込めて祈願することが大切です。また、神社の歴史や由来に思いを馳せながら参拝することで、より深いご利益を感じられるかもしれません。
駐車場・アクセス
・駐車場はありません
・下福増バス停から徒歩1分
・八田中口バス停から徒歩5分
・安原工業団地南口バス停から徒歩9分
授与品・御朱印
佐奇神社にお問合せ