熊野神社(くまのじんじゃ:牧山町)

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概要・由来

明治42年日吉社、八幡社 恵比須神社、平野社、白山社を合祀、村社直江谷神社と改称。大正4年少彦社を合併。昭和27年宗教法人切替に当たり現社名に改称。

この神社の歴史は、明治時代にいくつかの神社が合わさってできたことから始まります。

  • 明治42年(1909年)の合祀: 明治時代は、政府が進めた神社整理政策(合祀政策)により、各地の小規模な神社が近隣の神社に統合されることが多くありました。
    牧山町の熊野神社もこの影響を受け、以下の五つの神社が合祀されました。

    • 日吉社(ひよししゃ): 日吉大社(滋賀県)を総本社とする神社で、大山咋神(おおやまくいのかみ)などを祀り、山や自然、農業の神として信仰されています。
    • 八幡社(はちまんしゃ): 宇佐神宮(大分県)を総本社とする神社で、応神天皇(おうじんてんのう)などを祀り、武運の神として広く信仰されています。
    • 恵比須神社(えびすじんじゃ): 事代主神(ことしろぬしのかみ)や蛭子神(ひるこのかみ)などを祀り、商売繁盛や漁業の神として信仰されています。
    • 平野社(ひらのしゃ): 平野神社(京都市)を総本社とする神社で、今木神(いまきのかみ)、古開神(ふるあきのかみ)などを祀り、農業や開拓の神として信仰されています。
    • 白山社(しらやましゃ): 白山比咩神社(石川県)を総本社とする神社で、菊理媛神(くくりひめのかみ)などを祀り、縁結びや水の神として信仰されています。

これらの神社が一つになったことで、様々な神様の力が集まり、より広範囲のご利益を授けてくれる神社になったと言えるでしょう。
この時、神社名は「直江谷神社(なおえだにじんじゃ)」と改称されました。「村社」というのは、村の鎮守として村人が共同で管理・運営する神社のことです。

  • 大正4年(1915年)の合併: さらに大正時代に入ると、少彦社(すくなひこしゃ)が合併されました。少彦名神(すくなひこなのかみ)を祀る神社で、医薬、温泉、酒造などの神として信仰されています。これにより、医療や健康の神様も加わりました。

  • 昭和27年(1952年)の改称: 戦後、宗教法人法が制定され、神社も法人格を取得する必要が生じました。この際に、現在の「熊野神社」に改称されました。これは、合祀された神社の中に「熊野信仰」に基づく神社(おそらく元々あった熊野社)が含まれていたこと、また、熊野信仰が広く知られていることから、より親しみやすい名称として選ばれたと考えられます。

まとめると、牧山町の熊野神社は、明治時代以降の神社整理統合の流れの中で、複数の神社が合わさってできた神社です。様々な神様の力が集まることで、多様なご利益を授けてくれると考えられ、地域の人々にとって大切な存在となっていることが分かります。

鎮座地

金沢市牧山町ヘ1

電話

076-252-7891 (小坂神社)

拝観料金

無料

御祭神

伊弉冊岐尊
事代主神

行事

見どころ

この神社は、近隣の複数の集落によって大切に守り伝えられているようです。
社殿へは、整備された道はなく、徒歩でのみ辿り着ける山道となっています。
車での参拝はできませんのでご注意ください。

春と秋の例祭には、小阪神社の宮司様が来られ、祭典が執り行われるとのことです。
鳥居や狛犬は見られませんが、その質素な佇まいがかえって深い趣を感じさせます。

神徳(御利益)

伊弉諾尊(イザナギノミコト)

  • 日本神話において、伊弉冉尊(イザナミノミコト)と共に国産み・神産みを行った男神です。
  • 天照大御神(アマテラスオオミカミ)、月読命(ツクヨミノミコト)、須佐之男命(スサノオノミコト)の三貴神をはじめ、多くの神々の父神としても知られています。

伊弉諾尊の主な神徳

  • 国土経営・開拓: 国土を創造したことから、国土安寧、国家鎮護、事業繁栄のご利益があるとされています。
  • 生命力・創造力: 神々を生み出したことから、生命力、創造力、子授け、安産のご利益があるとされています。
  • 厄除け・災難除け: 黄泉の国から生還した神話から、厄除け、災難除け、病気平癒のご利益があるとされています。

事代主神(コトシロヌシノカミ)

  • 大国主神(オオクニヌシノオオミカミ)の子で、国譲りの神話において重要な役割を果たしました。
  • 七福神の一人である恵比寿様(えびすさま)と同一視されることが多いです。

事代主神の主な神徳

  • 商売繁盛: 恵比寿様として広く信仰されていることから、商売繁盛、商業の神としてのご利益があるとされています。
  • 漁業守護: 海の神としても信仰されており、漁業の安全、豊漁のご利益があるとされています。
  • 開運招福: 物事をうまく取り計らう力を持つとされ、開運招福、福徳円満のご利益があるとされています。
  • 縁結び: 大国主神の子であることから、縁結びのご利益もあるとされています。

両者を祀る神社のご利益

伊弉諾尊と事代主神の両者を祀る熊野神社は、上記の神徳を併せ持つと考えられます。つまり、

  • 国土安寧と商売繁盛: 国家の安泰と商業の発展、人々の生活の安定を祈願できます。
  • 生命力・創造力と開運招福: 新しいことを始める際の力や、運を開き福を招くことを祈願できます。
  • 厄除け・災難除けと漁業守護: 災厄から身を守り、海や水に関する安全を祈願できます。
  • 子授け・安産と縁結び: 子宝に恵まれ、良縁に恵まれることを祈願できます。

熊野信仰との関連

熊野神社は、一般的に熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)を総本社とする熊野信仰に基づく神社です。
熊野信仰では、伊弉諾尊、伊弉冉尊をはじめとする多くの神々が祀られています。
そのため、伊弉諾尊が祀られているのは、熊野信仰との関連から自然なことと言えるでしょう。

事代主神が祀られているのは、合祀など、神社の歴史的な経緯によるものと考えられます。
恵比寿様として広く信仰されていることから、地域の人々の信仰を集めやすかったのかもしれません。

駐車場・アクセス

・駐車場はありません
・直江野バス停から徒歩4分
・加賀北方バス停から徒歩5分

授与品・御朱印

小坂神社にお問合せ

ウェブサイト

石川県神社庁
https://www.ishikawa-jinjacho.or.jp/shrine/j0119/

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