1. 【御利益】
雷龍は、その名の通り「雷」の凄まじいエネルギーを司る龍神です。
瞬時に世界を照らし、空気を一変させる力から、以下のようなご利益があるとされています。
- 現状打破・人生のリスタート(滞った運気を強制的に動かす)
- 悪縁断絶・迷いの解消(疑念を振り払い、決断力を授ける)
- 直感力の向上・創造的インスピレーション(雷のような閃きを得る)
- 厄除け・浄化(強大なエネルギーで邪気を焼き払う)
2. 【概要と由来】
雷龍は、天界から地上へ瞬時にエネルギーを届ける「雷」を神格化した龍神の一柱です。
古来、日本では雷は「神鳴り」と書き、神の現れそのものとして畏怖されてきました。
また、雷が多い年は豊作になると言われることから、龍神としての水神の側面と、雷神としての破壊と再生の側面を併せ持っています。
この神は、物事が停滞している時や、人が迷いの中にいる時に、雷光のごとき鋭い一撃をもってその状況をリセットする役割を担います。
ただ破壊するのではなく、新しい命や発想が芽吹くための「更地」を作る、変革の旗振り役と言える存在です。
3. 【詳細解説】

■別名・別称
鳴雷龍神(なるいかづちのりゅうじん)、電龍(いなづまりゅう)など、地域や伝承により呼び名は様々ですが、総じて「急激な変化」を象徴します。
■特徴・シンボル
象徴となるのは、雲間を切り裂く「稲妻」とその轟音です。
姿は鋭い爪を持ち、背中から電光を放つ荒々しい龍として描かれることが多く、そのスピードは八百万の神々の中でも随一とされます。
■神話・エピソード
日本神話において、雷は非常に重要な役割を果たします。
例えば、建御雷之男神(タケミカヅチノオ)は雷神であり、剣の神でもあります。
雷龍はこの「雷」という現象そのものが龍の姿をとって現れたものと解釈されます。
ある伝承では、雷龍が通った後には大地が活性化され、人々の心に眠っていた情熱が呼び覚まされたと伝えられています。
雷が落ちることは、天のエネルギーが地に突き刺さる「受肉」の象徴でもあり、そこから新しい物語が始まると信じられてきました。
私たちがふとした瞬間に得る「閃き」は、雷龍が意識の暗闇を照らした一瞬の光なのかもしれません。
4. 【金沢での関連寺社・スポット】
金沢市内で雷龍のエネルギー(雷神・龍神)を感じられる、実在のスポットです。
- 金澤神社(かなざわじんじゃ/金沢市兼六町)
兼六園に隣接するこの神社は、雷神としての側面を持つ菅原道真公を祀ると同時に、相殿には「白蛇龍神(はくじゃりゅうじん)」を祀っています。
拝殿の天井には迫力ある龍の天井画(白蛇龍神天井画)が描かれており、金沢で龍神と雷神の両方の力を一度に感じられる最も代表的な場所です。 - 成学寺(じょうがくじ/金沢市野町)
寺町寺院群にある浄土宗のお寺です。
こちらの山門の塀の上には、非常に珍しい「風神・雷神の石像」が置かれています。
雷神が直接視覚化されている貴重なスポットで、そのユニークで力強い姿は、停滞した気分をリセットしたい時に勇気を与えてくれます。 - 尾山神社(おやまじんじゃ/金沢市尾山町)
直接的な龍神の祀りは別として、こちらの神門の最上階には「日本最古の避雷針」が設置されています。
雷の多い金沢の地で、古くから天のエネルギーを制御し、守りとしてきた象徴的な場所です。
雷龍の「天からの衝撃を受け止める」という性質を現代的に感じられる、隠れた関連スポットといえます。 - 石浦神社(いしうらじんじゃ/金沢市本多町)
金沢最古の神社とされるこちらには、とぐろを巻いた龍のような形をした「龍木(りゅうぼく)」があります。
自然の造形の中に龍のエネルギーを感じることができ、運気を好転させたい参拝者に人気です。
編集後記
今回ご紹介した雷龍。
「今がリセットの時」という言葉、心に刺さる方も多いのではないでしょうか。
金沢は「弁当忘れても傘忘れるな」と言われるほど天気が変わりやすく、冬には激しい「「雷」」が鳴り響きます。
地元の人にとって雷は身近な存在ですが、それを龍神様の「リスタートの合図」だと捉えると、少し勇気が湧いてきますよね。
迷っている背中を、雷龍がガツンと押してくれるかもしれません。
金沢 寺社仏閣めぐり 
