本龍寺(ほんりゅうじ)

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歴史・概要

金沢の湊町、金石(かないわ)に佇む本龍寺。
その歴史は、単なる寺院の歴史を超え、この地の歴史、人々の暮らしと深く結びついています。
始まりは室町時代の文明元年(1469年)。
越中井波の瑞泉寺第四世住職・蓮欽が、現在の富山県南砺市梅原に坊を構えたのが起源です。
この梅原という地は、瑞泉寺を第二世宣祐に譲った後、本願寺第五世綽如上人が草庵を結ばれた、由緒ある場所なのです。

その後、戦国の世を経て江戸時代に入り、慶長7年(1602年)、第四世賢恵の時代に大きな転機が訪れます。
本願寺第十一世顕如上人より「本龍寺」の寺号を賜り、湊町金石へと移転。
この地は古くから北前船の寄港地として栄え、「海の百万石」と称された豪商・銭屋五兵衛を生んだ地でもあります。
本龍寺は、この湊町の人々の願いを受け、宮腰惣道場を経て建立されたのです。
つまり、人々の生活、願い、そして歴史が、この寺の礎となっているのです。

現在の本堂は、寛政10年(1798年)に再建されたもの。
長浜大通寺より入寺した第十一世乗恵の時に建てられ、以来、幾星霜を経て現在に至ります。
この本堂に加え、山門、土塀、鐘楼堂は、平成29年(2017年)に金沢市指定文化財となりました。
特に注目すべきは、本堂の欄間を飾る見事な井波彫刻
越中井波は木彫刻で有名な地であり、その職人たちの技が、この寺を荘厳な空間へと昇華させています。

さらに、境内には「海の百万石」と呼ばれた銭屋五兵衛、そして彼に憧れ、貿易商として一代で大商社を築いた安宅弥吉の墓があります。
時代の波に乗り、この地で大きな足跡を残した二人の偉人の墓が、歴史の重みを静かに物語っています。
また、松尾芭蕉が「奥の細道」の途中に金石に立ち寄った際に詠んだ句「小鯛さす柳すずしや海士が軒」の句碑も境内にあります。俳聖もこの地を訪れ、句を詠んだというのは、興味深いエピソードです。

  • 前身は宮腰村の惣道場: 本龍寺の前身は宮腰村(現在の金石地区)にあった惣道場であることが判明しました。
  • 「方便法身尊像」: 1549年に本願寺から惣道場に贈られた阿弥陀如来像を描いた掛け軸「方便法身尊像」は、戦国時代に惣道場が存在したことを示す県内最古の資料とされています。
  • 本願寺との深い関わり: 古文書から、本願寺の親鸞影像を収めた厨子の鍵を輪番で管理する名誉な役職「本願寺御鍵役」を本龍寺が拝命していたことが分かりました。これは、本龍寺と本願寺の間に深い繋がりがあったことを示しています。
  • 文化交流の中心地: 本龍寺は歴代住職が俳句や茶道を嗜む文化人であったことから、絵画や書跡も多く残されており、江戸、明治期には古俳書の収集に尽力した蔵月明らの俳句や哲学者鈴木大拙の書状などが現存しています。これらの資料から、寺周辺の地域で様々な文化交流が行われていたことが分かります。
  • 安宅弥吉の書簡: 地元出身の実業家である安宅弥吉が当時の住職に宛てた書簡23通も現存しています。
  • 金沢市指定文化財(歴史資料)へ: 今回の調査で、古文書757点、什物141点、絵画や書跡174点、合計1072点が金沢市の有形文化財(歴史資料)に指定されることになりました。これにより、金沢市の文化財は全体で232件、有形文化財(歴史資料)は12件となります。

本龍寺は、金石の歴史、人々の信仰、そして文化が凝縮された場所と言えるでしょう。
単にお参りするだけでなく、歴史を感じ、文化に触れることができる、魅力あふれる寺院なのです。

所在地

石川県金沢市金石下本町1−23

電話

076-267-1568

拝観料金

無料である可能性が高いです。
詳細は直接お問い合わせください。

拝観時間

日中の参拝が可能と思われます。
詳細は直接お問い合わせください。

宗派/山号・寺号

  • 宗派:真宗大谷派
  • 山号:不明
  • 寺号:本龍寺

本尊・寺宝

  • 本尊:阿弥陀如来
  • 寺宝:
    • 金沢市指定文化財の本堂、山門、土塀、鐘楼堂
    • 銭屋五兵衛の墓
    • 安宅弥吉の墓
    • 井波彫刻の欄間
    • 宮腰惣道場の本尊の裏書(本願寺第十世証如上人による、県内最古の惣道場に関する記述と言われています)

御朱印

寺務所にお問い合わせください。

行事

  • 1​月​  修正会(1日)
  • 3​月​  彼岸
  • 4​月​  花祭り
  • 5​月​  春季永代祠堂会
  • 8​月​  お盆
  • 9​月​  彼岸・秋季永代祠堂会
  • 10​月​  報恩講(24日・25日)
  • 11​月​  御正忌報恩講(28日)
  • 12​月​  歳末勤行・除夜の鐘(31日)
  • 毎月25日 二十五日会(12月~2月・冬期休会)

見どころ

  • 金沢市指定文化財の本堂、山門、土塀、鐘楼堂
  • 銭屋五兵衛、安宅弥吉の墓
  • 井波彫刻の欄間
  • 宮腰惣道場の本尊の裏書

駐車場・アクセス

  • 駐車場:境内に駐車場があると思われますが、詳細は不明です。
  • アクセス:
    • 金沢駅からバスで「金石」方面行きに乗車、「下本町」バス停下車徒歩すぐ
    • 金沢駅から車で約20分

ウェブサイト

その他

  • 本龍寺は、金石地区の歴史と深く関わっている寺院です。特に、江戸時代に活躍した豪商・銭屋五兵衛の墓があることは有名です。
  • ウェブサイトでは、本龍寺の歴史や井波彫刻について詳しく紹介されています。訪問前に確認することをおすすめします。

上記の情報は現時点での情報に基づいています。
最新の情報や詳細については、本龍寺に直接お問い合わせいただくか、公式ウェブサイトをご確認ください。

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