1. 【御利益】
十二天将は、吉凶を司る精霊たちの総称であるため、その力は多岐にわたりますが、特に「現状打破」と「運気の好転」に強い力を持ちます。
- 運気上昇・開運招福 (星の巡りを読み解き、最善の道を示すことから)
- 厄難消除・災い除け (凶将の力をコントロールし、災いを未然に防ぐ)
- 願望成就への「前進」 (迷いを断ち切り、行動を起こすための背中を押す力)
- 勝負運・知恵の授与 (戦いや交渉事を有利に進める戦略的な直感)
2. 【概要と由来】
「動け。今、自分が抱いている願いに対して止まっている場合ではない。」
十二天将(じゅうにてんしょう)は、平安時代の陰陽師・安倍晴明も駆使したとされる占術「六壬神課(りくじんしんか)」において、最も重要視される象徴体系です。
彼らは特定の神話に登場する人格神というよりも、北極星を中心とした宇宙のエネルギー(気)が具現化した「式神」や「精霊」に近い存在です。
陰陽五行説に基づき、星や星座を起源として生まれました。
よく名前が似ている仏教の「十二神将(薬師如来の眷属)」と混同されますが、そのルーツも役割も全く異なる、陰陽道独自の守護神たちです。
3. 【詳細解説】
陰陽師の頼れるパートナー
陰陽師たちは、天文(星の動き)と暦(干支)を読み解くことで、吉凶を判断してきました。
その判断材料となるのが、天の盤に配置される12の精霊、すなわち「十二天将」です。
彼らはそれぞれ独自の性格と力を持ち、占う時刻や方角によって、私たちに「進むべき時」や「退くべき時」を教えてくれます。
十二天将の構成とシンボル
彼らは十二支(子・丑・寅…)と深く結びついています。
リーダー格の「貴人」を中心に、吉将と凶将が存在します。
- 貴人(きじん):
すべての凶を吉に変える最高位の吉将。 - 青龍(せいりゅう)、六合(りくごう)、太常(たいじょう)、天后(てんこう)、太陰(たいいん):
幸運や調和をもたらす吉将たち。 - 騰蛇(とうだ)、朱雀(すざく)、勾陳(こうちん)、白虎(びゃっこ)、玄武(げんぶ)、天空(てんくう):
争いや迷いを象徴する凶将ですが、陰陽師の力によって災いを祓う力ともなり得ます。
画像にある太極図を囲む十二支の動物たちは、まさに彼らが宿る「時」と「方位」を表しています。
「神(十二支)」と「将(十二天将)」が組み合わさることで、運命の歯車が回り出すのです。
4. 【金沢での関連寺社・スポット】
残念ながら、金沢市内には「十二天将」そのものを主祭神として祀る神社は確認できませんでした。
しかし、十二天将は「十二支(干支)」と密接な関わりを持つ神様です。
そこで、金沢で十二支のパワーを授かり、十二天将の「運命を動かす力」にあやかることができる、とっておきの寺院を紹介します。
願掛け寺 香林寺(こうりんじ)
金沢の寺町寺院群にある「香林寺」は、願掛け寺として非常に有名です。
ここの庭園には「幸福の道」があり、そこには十二支の像が安置されています。
十二天将は、占術において十二支の方位や時刻に配当されます。
香林寺で自分の干支、あるいはその年の干支の像にお参りすることは、間接的にその背後にある星の巡りや天将たちの加護と繋がるアクションと言えます。
- 参拝のポイント:
自分の干支の像の前で手を合わせ、「停滞している現状を動かしたい」と強く念じてみてください。十二天将のメッセージである「行動」へのきっかけを掴めるはずです。 - 住所: 石川県金沢市野町1-3-15
- アクセス: 金沢駅よりバス「広小路」下車、徒歩約3分。
全国の関連寺社
- 晴明神社(京都府京都市)
陰陽師・安倍晴明公をお祀りする神社。
十二天将を使役した晴明公の御神徳により、強力な魔除け・厄除けのご利益があります。
【編集後記】
「十二天将」の絵を見た瞬間、「動け」という言葉にドキッとしませんでしたか?
占いやスピリチュアルは、ただ結果を待つものではなく、行動するための「勇気」をくれるものだと改めて感じます。
金沢の香林寺は、願いをかけるために庭を「歩いて回る」という行動を伴うお寺。
まさに十二天将の教えを実践するのにぴったりの場所かもしれませんね。
金沢 寺社仏閣めぐり 