1. 【御利益】
- 立身出世・逆転勝利(豊国神社:底辺から天下人へ登り詰めた豊臣秀吉公の強運を授かる)
- 学業成就・難関突破(卯辰山天満宮:天神様の知恵と、災いを嘘に変える鷽の加護)
- 火伏せ・誓願成就(愛宕神社:災厄を焼き払い、自分自身への誓いを守り抜く力を得る)
- 心願成就(三つの社を併せて巡ることで、公私ともに盤石な守護を得る)
2. 【概要と由来】
金沢の街を一望する卯辰山の中腹に、三つの社殿が厳かに並ぶ場所があります。
これが豊国神社、卯辰山天満宮、愛宕神社からなる「卯辰山三社(うたつやまさんしゃ)」です。
ここは単なる参拝場所ではありません。
江戸時代、徳川幕府の厳しい監視下にありながら、豊臣秀吉を密かに祀り続けた加賀藩前田家の「執念」が宿る場所です。
明治の合祀政策により、現在は行政上一つの「豊国神社」として登録されていますが、現地には今も三つの独立した社殿が残り、奇跡的に戦災も免れた「強運の地」として知られています。
3. 【詳細解説】

秘められた歴史:徳川を欺いた「隠れ秀吉」信仰
三社の中心、豊国神社。
江戸時代、幕府にとって秀吉は敵方であり、その祭祀は厳禁でした。
しかし、秀吉の側近であった前田家にとって、彼は恩人。そこで三代藩主・利常は「卯辰観音」の名を隠れ蓑にし、密かに秀吉の木像を祀り続けました。
まさに徳川を欺いて守り抜いた、加賀藩の義理と人情の結晶なのです。
遺された奇跡:兼六園「幻の御殿」から届いた社殿
向かって右側の卯辰山天満宮には、さらなる歴史の遺産があります。
この拝殿は、かつて兼六園内にあった巨大な「竹沢御殿(たけざわごてん)」の一部を明治時代に移設したもの。
御殿の建物のほとんどが失われた中、この場所に移されたことで破壊を免れたのです。
ここには天神様の使いである「鷽(うそ)」の力も宿り、不幸を嘘に変えてくれると言い伝えられています。
公式リストから名前が消えたミステリー
なぜ石川県神社庁のリストに「卯辰山天満宮」や「愛宕神社」の名前がないのか。
それは、明治時代に書類上「豊国神社」へと統合されたからです。
しかし、金沢の人々は社殿を壊すことなく、大切に守り続けました。
名簿に載っていないからこそ、そこには「真の信仰」が今も息づいています。
4. 【金沢での関連寺社・スポット】
豊国神社(卯辰山三社)
石川県金沢市東御影町93
三社の中心であり、事務的な窓口です。
逆転運を呼び込む「ひょうたん」の守りや、三社それぞれの御朱印をいただくことができます。
ここから見下ろす金沢の景色は、かつての藩主たちが見た景色と重なります。
金澤神社
石川県金沢市兼六町1-3
卯辰山天満宮のルーツである兼六園内にあります。
前田家の天神信仰をより深く知るために、ぜひ併せて訪れたい聖域です。
椿原天満宮
石川県金沢市天神町1-1-1
卯辰山三社と同じく、金沢の東を守護する重要な天満宮です。
ここでも天神様と鷽の絆を感じることができます。
全国の関連寺社
編集後記
この「卯辰山三社」の物語を知った時、金沢の人々の「絶対に守り抜く」という意志の強さに鳥肌が立ちました。
書類上の名前は消えても、建物と信仰がそこにある。
まさに「嘘(鷽)から出た実(まこと)」のような、不思議で力強いパワースポットです。
何かに行き詰まっている時、ここで歴史の逆転劇に思いを馳せれば、新しい道が見えてくるかもしれませんね。
金沢 寺社仏閣めぐり 
