西勝寺(さいしょうじ)

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【歴史・概要】
西勝寺は、浄土宗本願寺派の寺院で金沢市瓢箪町に所在します。
元禄年間(1688~1704)に、本願寺第十一世法主良如上人の勧請により、西本願寺の末寺として創建されました。

しかし、その前にも同じ場所に寺院があったという伝承があります。
それによると、永禄二年(1559年)に純能法師という僧が、京都から真筆名号を賜った明栄という僧を招いて、大通院という真言宗の寺院を建立したのが始まりだといいます。

その後、本願寺第三世覚如上人とのご縁があり、浄土真宗へと変わり「西勝寺」の名を賜りました。第十代証如上人の『天文日記』には「辰田西勝寺」として記録されています。

西勝寺は、江戸時代には加賀藩の保護が厚く、寺格の高い寺として栄えました。
しかし、弘化二年(1845年)に火災に遭遇し、その全てを失いました。

明治初期の頃は、様々な農村社会の中で文化の中心だったようです。
昭和の一時期は僧侶資格者が居らず、存在感が薄れていましたが、十四世妙房上人の時に寺勢は少しずつ回復しました。令和四年には十六世聡乗上人によって伽藍が一新され、名実ともに中興されました。

西勝寺は、茶室「雀庵」や庭園などの文化財を有しており、茶道が盛んな金沢における庭園文化の系譜をたどることができます。茶室と庭園は江戸末期に二十世住職西野慶應上人が築いたもので、金沢市指定文化財の名勝に指定されています。庭園は茶室に面して北東方向に広がっており、曲げて打たれた飛石や山型の景石やせせらぎなどが見どころです。

【西勝寺庭園の特徴】
西勝寺庭園は、江戸時代末期に、茶道の藪内流の皆伝を受けた西野慶応住職が、茶室「雀庵」とともに築いたものです。広さは茶室などの建物を含め、二百七十五平方メートルです。

庭園は茶室に面して北東方向に広がっており、茶席に向かう道程として設えられています。その作庭時期は、20世住職西野慶応が自坊の茶の湯空間として茶室とともに築いたものと考えられ、江戸時代末頃と推定されます。

一連の道程のなかで、曲げて打たれた飛石が限られた空間に奥行きを演出し、軒庇の下を巧みに利用した設えは、雨や雪が多い当地方ならではの実用性を感じさせます。眺めを意識して要所に配された山型の景石やその背後を曲流するせせらぎは、市中にありながら山住まいを思わせる景趣を演出するものであり、工夫を凝らした当時の作庭意図の一端を窺うことができます。

茶室「雀庵」とその露地で構成される西勝寺庭園は歴代住職が継承してきた茶の湯の空間をよく残しており、茶道が盛んな金沢における庭園文化の系譜をたどる上で非常に意義深い事例であるといえます。金沢市指定文化財の名勝に指定されています。

西勝寺庭園は、四季折々の美しさがありますが、特に春と秋がおすすめです。
春には、桜やツツジなどの花が咲き、庭園に彩りを添えます。
秋には、紅葉や萩などの草花が色づき、庭園に趣を与えます。
これらは茶室「雀庵」から見る景色として素晴らしいです。
庭園は、春と秋には特別公開されることがあります。その際には、茶室「雀庵」で茶会も開催されます。西勝寺庭園の美しさを堪能するなら、春と秋が一番です。

西勝寺庭園は、一般公開されているようです。ただし、見学には事前の予約が必要です。また、茶室「雀庵」は茶会などの際にのみ公開されます。

西勝寺庭園の見学予約は、電話番号 076-220-2469 の文化財保護課にお問い合わせください。

 

【住所】
石川県 金沢市 瓢箪町8-6

【電話】
076-261-4030

【拝観料金】
無料

【拝観時間】
9:00~16:00

【宗派/山号・寺号】
浄土宗本願寺派/西勝山/西勝寺

【本尊・寺宝】
本尊は阿弥陀如来像で、江戸時代の作です。
寺宝には、茶室「雀庵」や庭園があります。

【御朱印】
御朱印はありません。

【行事】
行事については不明。

【見どころ】
見どころは、特徴的な鐘楼や茶室「雀庵」、庭園です。鐘楼は塀の外からも見える絵になるもので、茶室と庭園は茶道が盛んな金沢における庭園文化の系譜をたどることができます。

【駐車場・アクセス】
駐車場はありません。
アクセスは、JR金沢駅から徒歩約10分。

【ウェブサイト】
金沢市ホームページ

 

 

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