白山比咩神社は、北陸鎮護の大社として古くから崇敬されてきた神社です。
白山を神体山とし、白山信仰の総本社として全国に広がりました。
北陸最大級のパワースポットとしても有名です。
地元では「しらやまさん」とよばれ親しまれてきました。
【概要・由来】
白山比咩神社は、社伝によれば崇神天皇の時代に白山を遥拝する「まつりのにわ」が創建されたとされます。
その後、元正天皇の霊亀2年(716年)に安久濤の森に遷座し、社殿堂塔が造立されました。
養老元年(717年)には、越前の修験僧・泰澄大師によって白山に登って開山し、主峰・御前峰に奥宮が創建されました。
白山比咩神社は、延喜式神名帳に記載された式内社で、加賀国の一宮として篤い崇敬を受けました。
平安時代から室町時代にかけては、白山信仰の禅定道の拠点として栄えましたが、戦乱や火災によって幾度も荒廃しました。
江戸時代には、前田利家によって社殿が復興され、加賀藩主が社の経営を見守りました。
明治時代には、神仏分離令によって白山寺が廃され、白山比咩神社と号しました。
また、全国の白山神社の総本社とされ、白山頂上の奥宮を中心とする広大な地域を本社境内として無償譲与を受けました。
現在は、神社本庁の別表神社として、白山信仰の中心地として多くの参拝者が訪れます。
【鎮座地】
白山比咩神社は、石川県白山市三宮町ニ105-1に鎮座しています。
白山の山麓に位置し、手取川の清流や豊かな自然に囲まれています。
境内には、本殿や拝殿のほか、宝物館や禊場などがあります。
また、白山頂上の奥宮は、白山比咩神社の本社境内に含まれていますが、一般の参拝はできません。
【電話】
白山比咩神社の電話番号は、076-255-1111です。
【拝観料金】
白山比咩神社の拝観料金は、無料です。
ただし、宝物館の入館料は
一般300円、高校生200円、小中学生100円です。
【祭神】
白山比咩神社の主祭神は、以下の3柱です。
白山比咩大神:菊理媛神と同一神とされる。白山の山神で、水の恵みや五穀豊穣、縁結びなどの神徳を持つ。
伊邪那岐尊:日本神話における国生みの神で、天地開闢や神々の誕生に関わった。
伊弉冉尊:日本神話における太陽神で、伊邪那岐尊の妻であった。
【行事】
白山比咩神社では、年間を通してさまざまな行事が行われます。
代表的なものは、以下のとおりです。
– 1月1日:元旦祭。新年の幕開けとして、神様に初詣をする。
– 1月15日:どんど焼き。正月飾りや書き初めなどを焼いて、火の神様に感謝する。
– 2月3日:節分祭。豆まきや厄除け祈願を行って、邪気を払う。
– 3月3日:雛祭り。女の子の健やかな成長を祈る。
– 4月29日:春季大祭。白山比咩神社の例祭で、神様に感謝と祈願を捧げる。
– 5月5日:端午の節句。男の子の健やかな成長を祈る。
– 6月30日:夏越の大祓。上半期の罪や穢れを祓って、下半期の無病息災を祈る。
– 7月7日:七夕祭。織姫と彦星の恋物語にちなんで、縁結びや願い事をする。
– 8月9日~11日:白山開山祭。泰澄大師による白山開山を記念して、奥宮に参拝する。
– 9月23日:秋季大祭。白山比咩神社の例祭で、神様に感謝と祈願を捧げる。
– 10月17日:神幸祭。神様をお迎えして、町内を練り歩く。
– 11月11日・12日:どんじゃら市。白山信仰の民俗芸能や露店が賑わう秋祭り。
– 12月31日:除夜祭。除夜の鐘をついて、一年の終わりを告げる。
【見どころ】
白山比咩神社には、歴史や文化の見どころがたくさんあります。代表的なものは、以下のとおりです。
– 表参道:静寂な雰囲気で澄んだ空気が人気の表参道。一の鳥居の奥に杉や欅、楓などの樹木に覆われた約250mの参道で、神域にふさわしい雰囲気を醸し、四季を通じて参拝者に神々しさを感じます。白山市指定文化財になっています。毎月初めの「おついたちまいり」には、多くの参拝者で賑わっています。白山市指定天然記念物の老スギ、大ケヤキもパワースポットとして人気です。
– 本殿:ご祭神である白山比咩大神(菊理媛尊)を祀る社殿。江戸時代の明和7年(1770)に、加賀藩10代藩主前田重教(しげみち)の寄進によって造営されました。造営は、前田家御抱(おかか)えの大工や地元の職人の手で行われました。石川県指定有形文化財です。
– 弊拝殿:人が神様に対して拝礼する場所です。拝殿と幣殿は一体化しており、内部は総檜造りで、本殿とは30段の木階登廊で結ばれています。
– 宝物館:白山比咩神社は、古来から白山信仰の中心地として多くの人々の敬愛を集めてきました。そのため、貴重な宝物が数多く残されています。古代から中世にかけては、白山信仰の起源や展開を示す文化財があります。近世以降は、加賀藩主前田家との繋がりが深まり、前田家からの寄進品が多くあります。正親町天皇が白山宮の復興を命じ、藩祖前田利家が社殿を建てたことがきっかけです。 個々の宝物は、歴史的・文化的価値だけでなく、その時代の特徴や背景も伝えてくれます。そこには、長い歴史の中で築かれた白山信仰のロマンが感じられます。
重要文化財や県指定有形文化財をはじめ多くの社宝が収蔵されています。
– 御神木(三本杉):昭和58年(1983)の5月21日に石川県で開催された「第30回全国植樹祭」において、昭和天皇が境内の杉の種をお手まきされました。この杉は、その時の苗木を御神木として植樹したもの。
– 禊場:体を清め、罪やけがれを洗い流す場。平成18年に造られた禊場には、白山の伏流水を利用した滝もあり、荘厳な雰囲気が漂います。
– 白山奥宮遥拝所:離れたところから白山山頂の奥宮を拝む遥拝所。神門をくぐった右側にあり、大汝峰、御前峰、別山の「白山三山」の形をした大岩が祀られています。毎月1日と15日の月次祭(つきなみさい)では、神職による遥拝が行われています。
– 荒御前(あらみさき)神社:神門の傍らに鎮座する境内摂社。荒御前大神、日吉大神、高日大神、五味島大神の4柱が祀られています。荒御前大神は、『日本書記』の中に、神功皇后(じんぐうこうごう)が朝鮮半島に出兵した際、守護した神として登場します。
– 住吉社:禊場の横に鎮座する境内末社。住吉社は、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が黄泉(よみ)の国から戻って禊を行った際に生まれた底筒男尊(そこつつのおのみこと)、中筒男尊(なかつつのおのみこと)、表筒男尊(うわつつのおのみこと)の三柱をご祭神とし、禊祓いの神として崇敬されています。
– 白山霊水:延命長寿の霊水として名高い白山水系の伏流水。北参道手水舎横に湧き出ており、遠方から多くの方が水を汲みに来られます。
【神徳(御利益)】
白山比咩神社は多くのご利益があるとされています。
- 五穀豊穣: 農耕に不可欠な豊かな収穫をもたらす神徳。
- 大漁満足: 漁業に関連する繁栄と成功をもたらす神徳。
- 開運招福: 幸運を引き寄せ、幸福な人生をサポートする神徳。
- 家内安全: 家族や家庭の安全と平和を守る神徳。
- 良縁成就: 縁結びや結婚に関連する神徳。
- 交通安全: 旅行や移動において守護する神徳。
- 生業繁栄: 仕事やビジネスの成功をもたらす神徳。
- 学業成就: 学業での成果と成功をサポートする神徳。
- 身体健全: 健康と体調の安定をもたらす神徳。
- 夫婦円満: 夫婦関係の調和と幸福をサポートする神徳。
- 福徳長寿: 幸福と長寿をもたらす神徳。
- 家運長久: 家族や家の繁栄と持続をサポートする神徳。
- 子孫繁栄: 子孫の繁栄と幸福を願う神徳。
- 神人和楽: 神々と人々の調和と平和をもたらす神徳。
白山比咩神社は、北陸鎮護の大社であり、多くの人々に親しまれています。その美しい山々と神々しい雰囲気は、多くの参拝者に癒しとパワーをもたらしています。
【駐車場・アクセス】
白山比咩神社への駐車場やアクセスは、以下のとおりです。
– 駐車場:白山比咩神社の境内には、無料の駐車場があります。普通車は約300台、大型バスは約20台が収容できます。
– アクセス:白山比咩神社へのアクセスは、以下の方法があります。
– 車:北陸自動車道の白山ICから約15分、または金沢方面から国道157号線を経由して約40分です。
– 電車:JR北陸本線の白山駅からタクシーで約10分、または白山市営バスで約15分です。
– バス:金沢駅から白山市営バスで約1時間、または白山市営バスの白山比咩神社線で約40分です。
【授与品・御朱印】
白山比咩神社では、参拝者に対して、さまざまな授与品や御朱印を授与しています。
代表的なものは、以下のとおりです。
– 授与品:白山比咩神社の授与品は、白山信仰や神徳にちなんだものが多くあります。例えば、白山の水を使ったお塩やお酒、縁結びや子宝の石、厄除けや開運の石、白山の花や木の御守りなどがあります。
– 御朱印:白山比咩神社の御朱印は、本殿の拝殿で受けることができます。御朱印は、白山比咩神社の神紋である三子持亀甲瓜花や白山の風景を描いたものがあります。また、季節や行事によって、特別な御朱印も授与されます。
【ウェブサイト】
白山比咩神社のウェブサイト
北陸鎮護の大社 白山本宮・加賀一ノ宮 白山比咩神社
ウェブサイトでは、白山比咩神社の歴史や文化、行事や見どころ、授与品や御朱印などの情報を詳しく見ることができます。また、お問い合わせやご祈祷の申し込みもできます。
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