金沢四大仏とは

広告が掲載してある場合があります

金沢四大仏(かなざわしだいぶつ)とは、金沢市内にある四つの寺院に安置されている大きな仏像の総称です。
それぞれの大仏は、以下のようになっています。

ただし、明確に「この四体が四大仏」という定義があるわけではなく、時代や情報源によって含まれる仏像が若干異なる場合があります。

一般的に金沢四大仏として挙げられることが多いのは、以下の四体です。

 

極楽寺の阿弥陀如来坐像(寺町)

浄土宗の寺院で、後醍醐天皇の第八皇子・仏眼明心法親王が開創しました。
二代利長が金沢城に入場の際、越中守山で帰依していた極楽寺暫譽上人を招請し、その後、三代利常から現在地を拝領し建立しました。
本尊は一丈六尺(約4.8メートル)の阿弥陀如来坐像で、木造寄木造りです。

 

浄安寺の木造阿弥陀如来坐像(寺町)

浄安寺は浄土宗の寺院で、加賀藩士・内藤善斎が三代利常より寺地を拝領したことが起こりとされています。
本尊は一丈六尺(約4.8メートル)の阿弥陀如来坐像で、木造寄木造りです。

天正3年(1575)に藩祖前田利家の命により尾張荒子出身の僧白誉が開山したといわれている。
当初は旧古寺町(現在の片町付近)にあり、元和元年(1615)に現在地に移転。
本堂には御本尊の丈六の阿弥陀如来坐像(像高約270センチ)。
延宝元年(1673) 十一世面誉上人の時に造立され、宝暦九年(1759)の大火にも寺堂が全焼する中、難を免れたと伝えられている。

像は寄木造で、中は空洞、胎内には寄進者名連署の巻紙と胎内仏を納めると伝えられている。
螺髪(らほつ)以外の体と光背に金の漆箔(しっぱく)が施され、偏袒右肩(へんだんうけん)に衲衣(のうえ)を着け、心の安定を現す弥陀定印(みだじょういん)を結び、魚鱗(ぎょりん)葺きの蓮華座に結跏趺坐する。
頭光背は中心部に蓮花文を刻み、その周囲に多くの阿弥陀如来坐像が、さらに外廻りにも少し大振りの六体の阿弥陀如来坐像が表されている。
ふっくらとした面相には西方極楽浄土の教主であり四八の大願、中でも弥陀の本願の成就をなせる威光と慈悲が現れている。

玄門寺の木造阿弥陀如来立像(東山)

浄土宗の寺院で、加賀藩士・内藤善斎が三代利常より寺地を拝領し、浄土宗の僧・順生に開山を依頼したことが始まりです。順生は、京都の延暦寺安楽律院の妙立慈山から四分律を学び、天台律の道場として玄門寺を建立しました。
本尊は一丈六尺(約4.8メートル)の阿弥陀如来立像で、木造寄木造りです

浄土宗孤峯山玄門寺は、加賀藩士内藤善斎が三代藩主前田利常より寺地を現在地に拝領し、僧玄門を開基として寛永10年(1633)開山。
阿弥陀如来立像は、宝暦年間(1751~1764)初め頃、八世承誉の弟子即誉の発願により建立されたといわれている。
また、寛政11年(1799) 大地震があり、十二世実誉の発願により同一三年再建の記録も残されている。
如来像の大きさは800センチもあり、上品下生(じょうほんげしょう)の印相(来迎印)を結び、西方を向いて蓮華座に立つ。
裳の部分のみに金の漆箔が貼られており、光背は蓮華の回りに雲文を浮き彫りした頭光と舟形の身光からなり、頭光の回りに後光が付く放射光背(ほうしゃこうはい)で装飾される。
本堂は火災から像を護るため土蔵造りで、頭部に西日が差すように窓が設えられている。

蓮昌寺の木造釈迦如来立像(東山)

曹洞宗の寺院で、元禄年間(1688~1704年)に造像されました。
本尊は一丈六尺(約4.8メートル)の釈迦如来立像で、木彫りです。
この像は、「施無畏与願」という印を示しており、一切衆生に安楽無畏、人々のさまざまな願いをかなえることを誓っています。

普香山 蓮昌寺は、卯辰山山麓寺院群のほぼ中央部に位置する日蓮宗寺院で、天正10年(1582)僧日寿により越前府中(現在の福井県越前市)で創建された。
慶長18年(1613)寺地を拝領して金沢に移り、万治元年(1658)現在地に移転したといわれている。

本寺院は三代藩主前田利常の生母寿福院の祈祷所(きとうしょ)としても知られている。

本像は丈六(一丈六尺)の高さ約485センチの木彫仏 (寄木造)で、大仏殿に安置されている。
造像は元禄年間(1688~1704)といわれているが、仏師は不明である。

元文元年(1736) 寺院は焼失したが、難を免れたといわれている。

そのお姿は、一切衆生に安楽無畏(あんらくむい)、人々のさまざまな願いをかなえることを誓う施無畏与願(せむいよがん)の印を結ぶ仏の誓願の意志を表している。
西方浄土があるということで、面相は真西に向いており、西日が射し込む夕方は特に神々しく見えるといわれている立像は、蓮華座に直立している。
また再建の際、浄財が集まらなかったため、皮膚の部分以外は金箔を貼ることができなかったともいわれている。

以上が金沢四大仏です。
金沢には歴史ある寺院や仏像が多数ありますが、中でも四大仏は特に見応えがあります。
ぜひ一度ご覧になってみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です